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2年連続で過去最高売り上げを更新 JR博多シティ


週刊経済2025年4月30日発行号

前年比10.6%増の1488億円

㈱JR博多シティ(福岡市博多区博多駅中央街、赤木征二社長)と博多阪急(同、亀井潤一㈱阪急阪神百貨店常務執行役員店長)は4月16日、JR博多駅ビルの商業施設「JR博多シティ」における2024年度の概況報告会を開き、営業概況を発表した。8施設(アミュプラザ博多・アミュエスト・博多デイトス・デイトスアネックス・コンコース・JRJP博多ビル・JR九州博多駅構内・博多阪急)の合計売上高は前年比10・6%増、額にして143億円増収の1488億円となり、2年連続で過去最高を更新した。

内訳は、JR博多シティが運営する7施設の合計売上高が前年比10%増の794億円、博多阪急の売上高が11・3%増の694億円。共に過去最高となった。

JR博多シティの運営施設では24年度、中国や韓国からの観光客をはじめとしたインバウンドの増加や、JQカードに加え23年10月に導入したポイントサービス「JRキューポ」によるさまざまなキャンペーン施策の展開で売り上げが伸長。また、昨年11月から開始した約15年ぶりとなる博多デイトス1階「みやげもん市場」のリニューアルや、食品店舗へのJQカード5%オフサービスの拡大も寄与し、年間を通して好調に推移した。

なお、アミュプラザ博多・アミュエスト・博多デイトス・博多阪急の4施設合計の年間入館者数は前年比2・6%増の7095万人だった。上半期が同3・7%増の3477万人、下半期が1・4%増の3618万人。集客イベントとして、JR博多駅前広場では「クリスマスマーケットin光の街・博多」「博多夏まつり」「九州酒蔵びらき」といった定番人気イベントや、九州の愛すべき食と文化に出会えるマーケット「KYUSHU LOVERS MARKET」をはじめとした「食と農」「昭和レトロ」「歌唱」などさまざまなテーマに基づいた新規イベントなど計12本を開催し、約56万人を集客。JR九州ホールでは、「SPYFAMILYわくわくパーク福岡」や「刀剣乱舞で学ぶ日本刀と未来展」といった人気キャラクターの展覧会や「JR博多シティ特選落語」など計9本を開催し、約7万人を集客している。

JR博多シティの赤木社長は「映画などのエンタメ部門の売上高は昨年よりも下がったが、衣料品、身の回り品などは全体的に約1割増と好調だった。みやげもん市場はリニューアル中にもかかわらず、売り上げが伸びた」と話している。

 

博多阪急も売上高694億円で過去最高更新

一方、前年比71億円の大幅増収となった博多阪急の24年度の来店者数は前年比2・7%増の2845万人。1日の平均来店客数は7・5万人で、平日は6・7万人、土日祝日は10・3万人にのぼる。博多阪急も大幅増収の要因の1つに、免税売り上げの高伸を挙げる。特に上半期は円安の影響に加え、訪日韓国客を中心に連日にぎわいをみせ、一時は売り上げシェア30%を占めるまでに高伸。24年度の免税売上高は前年比51%増で、売り上げシェアは22%と前年と比べて5ポイント高まった。カテゴリー別では、ラグジュアリーと食品が特に好調だったほか、全カテゴリーで前年を上回ったという。

博多阪急の亀井店長は、「大幅増収のもう1つの要因は、強みである〝楽しさ九州No.1百貨店〟の象徴となるイベントコンテンツの磨き上げが奏功した」と明かす。主力の催事では定評のある既存コンテンツのブラッシュアップに加え、フランスフェアといった大型海外催事などを初開催し、催事全体の売り上げが前年比13%増と大きく伸長した。

また、開業以来、博多阪急独自のカードであったエメラルドカードを来年1月末で廃止し、阪急阪神百貨店のペルソナSTACIAカードに全面移行する予定。「カード戦略の見直しは今年度の大きな変革のポイント。独自カードの廃止は短期的にはマイナスだが、顧客とつながり続ける取り組みとして挑戦する」と話している。