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12月めどにパウチ食品用無菌充てん技術で特許取得  日本鮮食    小魚を使用した新商品も構想


 食品加工製造業の日本鮮食株式会社(糸島市二丈福井、梅田隆平社長)は、今年12月をめどにビニールパウチ食品向けの無菌充てん技術の特許取得を計画している。
 特許を出願したのは、同社が2002年9月に特許を取得した「ジュール加熱」(食品素材を電気抵抗体とみなして電流を通し、食品を発熱させて加熱する方法)を利用した加工食品の充てん技術。加工工程は、食材を電気絶縁容器内に密封して内圧の高い状態でジュール加熱を行い、食材の中心温度を140℃まで上昇させる。そして、ジュール加熱した食材を130℃の食用植物性油脂とともに充てんし、パウチ内全体を無菌化する。この方法を利用した商品として、これまで販売規格外とされ流通しにくかった小魚などを使用したオイル漬けなどを構想している。現在、無菌充てん装置を含む商品製造ラインを開発中。
 同社は「缶詰に代わる新しい商品の形態として開発を進めている。短時間で効率的に加熱するので風味や食感を保ち、保存料などを使わずに無菌化できるので安全に常温保存が可能となる。また、プラスチック容器なので包装コスト削減や資源の保守にも役立つ。今後、さまざまな商品開発につなげていきたい」と話している。
 同社は1986年4月設立。資本金は2千万円。11年3月期の売上高は5億円。従業員数は61人。梅田社長は1938年6月20日生まれの73歳。福岡市出身。福岡市立福岡商業(現福翔)高校卒。趣味は釣り、ゴルフ。