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11年焼酎メーカー売上高合計は3年連続前年割れ 帝国データバンク福岡支店調べ 消費低迷、低価格志向で
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株式会社帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴2丁目)が8月10日に発表した2011年焼酎メーカー売上高ランキングによると、上位50社売上高合計は2791億5百万円で、比較可能な05年以降では過去最低となった。前年比では、10年の売上高合計2929億29百万円に対して4・7%減と、3年連続の前年割れとなった。減収企業は34社で前年より5社増加し、09年の32社を2社上回って調査開始以来最多となった。
売上高トップは9年連続で三和酒類株式会社(大分県宇佐市)だった。主力は麦焼酎「いいちこ」で、首都圏、関西地区などの大都市圏に営業を展開する一方で、アジア、北米など14カ国・地域にも輸出している。売上高は本格焼酎市場の伸び悩みや大手酒類メーカーとの競合などの影響を受けて、前年比4・1%減の501億24百万円と7年連続の前年割れとなった。
2位は霧島酒造株式会社(宮崎県都城市)。主力の芋焼酎「黒霧島」は全国的にも知名度が高いことや、関東や関西地区の大都市圏でブランド化に取り組み、業務用、家庭用の需要も拡大。9年連続の2けた増収はならなかったが、前年比2・9%増の486億26百万円となり、上位10社の中で唯一前年を上回った。昨年11月には新工場が完成し、既存の3工場に加えて安定した生産体制を整えた。
3位は薩摩酒造株式会社(鹿児島県枕崎市)。「さつま白波」を中心に「白波ブランド」で全国に販路を拡大しているが、震災の影響で出荷量が伸び悩み、売上高は前年比12・5%減の178億76百万円で5年連続の前年割れとなった。
同社では「東日本大震災の影響による消費自粛はあったが、影響は限定的だったと見られる。しかし、デフレ経済の中で消費者の低価格志向が強まったことなどが影響した」と分析している。調査は同社の企業情報データベース「COSMOS2」に収録されている焼酎製造を主な業務とする酒類メーカーで、売上高に占める焼酎の比率が50%以上の全国の企業を対象とした。調査は昨年に続き9回目。なお、調査対象企業のうち九州・沖縄地区の企業は46社で、前年と同数だった。県別企業数では鹿児島県が22社でトップ。