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風力、太陽光をセットで販売  ウィンドレンズ    出力7kWで4百万円


 九州大学発のベンチャー企業で風力発電機製造・販売の株式会社ウィンドレンズ(筑紫野市上古賀3丁目、高田佐太一社長)は、5月1日から風力発電機に太陽光パネルを取り付けたセット商品の販売を開始した。
 再生可能エネルギーの中でも需要が大きい太陽光発電と組み合わせることで、主力の風力発電機「風レンズ風車」の販売強化を図る。太陽光パネルは、同社が風力発電機を製造委託している中国のインバータメーカーから、パネル生産量世界一位のサンテックパワーなど数メーカーのパネルを安価で仕入れる。商品は、出力5キロワット(kW)の風力発電機のポール部分に、2KWの太陽光パネルを取り付けたもので、出力は計7kW。価格は従来の4kW分に50万円を上乗せした4百万円。今後は販売代理店などを通じ、年間3百セット販売を目指す。
 風レンズ風車は、リングに入り込んだ風が反対側の出口付近で空気の渦を発生させ、リングに流れ込む風量が増えて羽根の回転率が高まるため、従来の発電機と比べ、発電量が増える効果が九州大学の研究チームにより、実証されている。出力4kWタイプは、風速毎秒4メートルで24時間発電すると、42型の液晶テレビを27時間観賞できる電力を得られるという。また、羽根の動作音が小さいのも特徴。高田社長は、「エネルギーのバランスミックスという観点から、複数の発電装置を導入したいという声が消費者から寄せられていた。環境意識の高い層をターゲットにしたい」と話している。
 同社は2008年4月設立。資本金は6百万円。従業員は6人。2012年2月期の売上高は3億2千万円。高田社長は1951年7月11日生まれの60歳。兵庫県尼崎市出身。ポンプメーカーの株式会社酉島製作所(大阪府高槻市)で大型風力発電機の設置に携わる。退職後、九州大学研究グループの大屋裕二教授から誘われて、同社を立ち上げた。