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須玖岡本遺跡から「甕棺墓(かめかんぼ)」発掘 春日市


週刊経済2025年2月19日発行号

2月22日に現地説明会

春日市は2月22日に、同市の須玖岡本遺跡から新たに出土した「甕棺墓(かめかんぼ)」に関する現地説明会を開催する。

同市の「須玖遺跡群」は、1800~2000年前に福岡平野一帯で栄えたとされる「奴国」の最大級の遺跡であり、中でも王都と見られる中核的な遺跡が、岡本7丁目付近に広がる須玖岡本遺跡と位置付けられている。昨年、同遺跡の王族墓エリアで新たに発掘した「甕棺墓」は、土器の甕や壺を棺として遺体を埋葬した墓のことで、弥生時代に北部九州で盛んに営まれたと見られている。墓からは副葬品の出土はなかったものの、ほとんど前例がない緻密な調査を行ったところ、2つの大甕を合わせた上甕(頭位側)だけに赤く塗られた痕跡があり、上甕の埋め戻しの際には、事前に用意した黒褐色土をまいたことが分かった。赤と黒は対になるもので、弥生人の死者に対する何らかの儀礼を示していると同市は見ている。

現地説明会では、今回の史料等が初めて一般に公開され、これまでの発掘調査や展示に携わってきた市の文化財技師が、同遺跡の墳墓や青銅器生産を中心に解説する。また、3月8日には「奴国の丘歴史資料館研修室」で、講座の「市職員が語る『ここまでわかった須玖岡本遺跡』」を開催する。定員は40人。