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電気ビル共創館に本社機能を一部移転 東京都のマスミューチュアル生命保険 災害リスク回避目的に
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米国に本社を置く外資系保険会社の日本法人・マスミューチュアル生命保険株式会社(東京都品川区大崎2丁目、井本満社長)は、福岡市に本社機能の一部を移転する。大規模な災害リスクに備えた事業継続体制の拡充と福岡での営業力強化を図り、今年8月に仮稼働、15年4月までに本格稼働を目指す。
外資系の金融機関が、リスク分散先として九州に本社を設置するケースは初めて。また、福岡市が企業誘致の一環で創設した「企業立地交付金制度」を適用した本社機能の移転は初の事例で、同社に約4800万円から5000万円を交付すると発表した。
場所は中央区渡辺通2丁目の電気ビル共創館11階。延べ床面積は約1700平方mで、コールセンターや営業部門、保険契約事務などを優先的に移転し、そのほかの業務も随時移転させていく。従業員は150人体制とし、半数以上を福岡で雇用する。
6月26日、同市中央区天神のソラリア西鉄ホテルで会見した井本満社長は「福岡は全国の政令指定都市のなかで若年率が高く、優秀な若い人材が多い。今後、福岡での雇用増進と営業力強化を積極的に行い、ローカル化したビジネスを展開していきたい」と話している。
会見には、小川洋県知事、高島宗一郎福岡市長が同席。小川県知事は「今年3月、県東京事務所へ本社設立の相談をいただいた。福岡県は発達した都市機能、充実した交通インフラ、豊かな人材に恵まれている。また、自然災害が少なく安全、安心な地域という特徴がある。今後、福岡市とともに支援活動を行っていきたい」とあいさつ、高島市長は「福岡市はグローバル創業特区として、国家戦略特区にも指定されている。今回の福岡本社設立を機に、今後も多くの企業が福岡に立地していただけることを期待したい」と同社の進出を機に、市内への本社機能の移転に弾みがつくことを期待した。
同社は資本金480億円、総資産1兆9083億円。保険料等収入は3000億円で従業員数は345人。1907年に「横浜生命保険株式会社」として営業を開始。30年に東京丸の内に本社移転後、47年に「平和生命保険株式会社」を発足、2001年に米国総合金融グループのマスミューチュアル・フィナンシャル・グループの傘下として「マスミューチュアル生命保険株式会社」と社名を改称。07年には創業100周年を迎えた。また、世界に発行されるビジネス雑誌「フォーチュン」誌の「世界で最も賞賛されている企業(生命・健康保険分野)」でグループ本社が世界第5位、米国の優良企業500社のうち、全米で第96位と高い評価を得ている。保険財務力格付けは「AA+」で、保険契約債務を履行する能力は非常に高いと評価されている。