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長崎県のセントラルホテル佐世保に投資 九州・リレーションシップファンド 第2号投資先として
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後継者不在の中小企業を支援する事業承継ファンド「九州・リレーションシップ1号投資事業有限責任組合(九州ファンド)」は4月22日、第2号投資先として長崎県佐世保市上京町のビジネスホテル「セントラルホテル佐世保」の事業を引き継いだ。投資額は非公表。
九州ファンドは後継者不在などの事業承継問題を抱える九州・山口地域の中小企業の事業継続支援を目的に、独立行政法人中小企業基盤整備機構や日本アジア投資、福岡銀行、宮崎銀行などが出資して2008年に設立。今回の投資は、昨年第1号投資先となった久留米市の教育家具メーカー、三原機工株式会社に続くもの。同ホテルは1977年開業で客室数168室、従業員は95人(パート含む)。創業者一族で経営してきたが、遠田公夫社長の後継者がいなかったため、メーンバンクの親和銀行を通じて九州ファンドを活用することにした。
すでに昨年10月、同ファンドは株式を保有する創業者一族から同社の全株式を買い取り、経営権を取得。4月22日開催した株主総会で事業承継を承認し、同社は有限会社から株式会社へ組織変更するとともに、遠田社長が会長に、社長に元親和銀行管理部長で同ホテルに出向していた千北直貴専務が就任し新たな経営体制を発足させた。全従業員95人は継続雇用する。同ファンドでは、今後、同社の事業強化を図った上で3~5年をめどに県内の同業他社に売却する方針という。
株式会社福岡キャピタルパートナーズと共同で同ファンドを運営する日本プライベートエクイティ株式会社の石元玲九州オフィスディレクターは、「ファンドを活用した非同族の役員、従業員の事業承継は、まだまだ馴染みの薄い手法。こうした事例を成功に導くとともに、多くの方に認知していただき、優れた技術やノウハウを持っているものの後継者不在などの事業承継問題を抱える企業のお役に立てれば」と話している。