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鉄道や小売、ホテルの回復で大幅な増収増益 JR九州


週刊経済2023年6月20日発行号

営業収益は16・3%増の3832億円

九州旅客鉄道㈱(JR九州、福岡市博多区博多駅前3丁目、古宮洋二社長)の2023年3月期連結決算は、売上高にあたる営業収益が前期比16・3%増の3832億4200万円、営業利益が8・7倍の343億2300万円、経常利益が3・865倍の357億円と大幅な増収増益となった。
行動制限の緩和や社会経済活動の正常化が進み、個人消費を中心に各事業における需要が緩やかに回復。営業収益は鉄道旅客運輸収入の増加、小売業やホテル業の収入増などで537億円の増収。この結果、営業費用が動力費等の物件費増などで233億円増加したものの、営業収益の増加に加えて鉄道事業における固定費の削減などで利益面では大幅な増益となった。当期純利益は2・352倍の311億6600万円で、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも2期連続の増益となった。
セグメント別では、運輸サービス事業は鉄道旅客運輸収入の増加などで、営業収益が32・6%増の1383億1800万円、営業利益が25億2200万円(前期は227億5200万円の損失)の増収増益。不動産・ホテル事業はホテル業の収入増(88・1%増)などで、営業収益が8・3%増の1231億1000万円、営業利益が22・7%増の221億700万円と増収増益。流通・外食事業は小売業の収入増などで、営業収益が25・5%増の547億8100万円、営業利益が14億1000万円(前期は12億4100万円の損失)だった。
建設事業は西九州新幹線関連工事の減少などで、営業収益が4・9%減の883億7000万円、営業利益が22・9%減の54億4200万円と減収減益。ビジネスサービス事業は受注増などで営業収益が5・7%増の734億8800万円、営業利益が4・5%増の34億8600万円の増収増益だった。
今期は移動需要の回復による鉄道旅客運輸収入増、長崎マリオットホテルを含む新長崎駅ビルや嬉野八十八の開業などによる駅ビルやホテルの収入増を想定し、営業収益が前期比8・8%増の4170億円、営業利益が33・1%増の457億円、経常利益が28・6%増の459億円、当期純利益が30・6%増の407億円の増収増益を見込んでいる。