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超低温技術利用の多目的物性測定装置を開発  低温技術研究所    2010年春発売目指す


 実験用機器開発の株式会社低温技術研究所(福岡市東区箱崎6丁目、武石誠司社長)は、6月初頭から超低温技術を利用した「多目的物性測定装置」の開発に着手する。
 磁性や電気抵抗など通常の温度では表れない物質の性質(物性)が、超低温にすることによって表れてくるという原理に、同社の超低温技術を応用して開発を進めるもの。同様の装置は、現在米国メーカーの商品が世界的に大きなシェアを持ち、日本国内でも年間20億円ほど売り上げているが、低温技術研究所によると「米国メーカーの商品は高価なヘリウムを媒体とする方式だが、当社が開発しているのは、ヘリウムを消費しない『機械式』のため、ランニングコストは10分の1ほど」(武石社長)という。販売価格も、既存商品の約5000万円より安い約4000万円を予定しているという。
 機械式の場合、超低温を実現するために真空状態を維持することが不可欠になるが、そのためのシール技術に関して、同社は今年度の「中小企業ものづくり基盤技術高度化法」に関する企業認定を経済産業省から受けており、開発に関しての補助金や無担保の低利融資を利用して事業化を進め、2010年3月までに商品を開発し、4月から販売を始める計画。同社の武石社長は「物性測定装置の世界市場は年間約75億円ほど。価格的にもランニングコストでも既存商品より有利なため、初年度は10台販売して4億円、販売開始から2年後には20億円の売り上げを目指す」と話しており、「今後も超低温技術を生かした事業を展開していく」考えだ。
 同社は、取締役会長を務める矢山英樹九州大学大学院准教授が研究している超低温技術を活用した製品を開発、販売する目的で08年3月1日設立。資本金は5000万円、今秋には商品化の第一弾として、「無冷媒希釈冷凍機」の発売を予定している。