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群馬県の吾嬬ゴム工業の株式取得し子会社化  日創プロニティ    3年で上限50億円の戦略投資の一環


 福岡証券取引所の新興市場Qボードに上場する金属製品加工の日創プロニティ株式会社(福岡市南区向野1丁目、石田徹社長)は、3月15日付で群馬県藤岡市立石のゴム製品製造の吾嬬ゴム工業株式会社(高木秀雄社長)の全株式を取得し、子会社化する。
 これは中期経営計画(2016年8月期~18年8月期)において、「上限50億円のM&A及びアライアンスに係る戦略投資枠」を設定し、最終年度の連結売上高100億円、連結営業利益15億円を経営目標とする事業領域の拡大・多角化に取り組む一環。吾嬬ゴム工業は、主として住宅や機械、下水道関連のゴム製品を製造する老舗メーカーで、ゴムの加工技術やノウハウに裏付けされた豊富な販売実績を有し、堅調に業績を伸ばしている。株式取得により、吾嬬ゴム工業との技術交流や協業が、製品アイテムの増加と営業基盤の強化につながると判断した。
 吾嬬ゴム工業は1982年7月設立。資本金2000万円。2015年3月期の売上高は14億2700万円、経常利益は1億5600万円。今回の株式取得価額は、アドバイザリー費用などを含め9億4600万円。1月29日に取締役会を経て、契約を締結。3月15日に株式譲渡実行予定。吾嬬ゴム工業の新代表は、石田日創プロニティ社長が兼任する予定。
 同社では「今回の株式取得を足掛かりとして、金属の加工とゴムの加工といった相互の連携を密にしながら、シナジー効果の早期発揮に努め、企業価値の向上を図っていくとともに、グループ会社としての管理体制の強化を進めていく」と話している。
 同社では40周年に向けた新中計を「新たな企業ステージへのファーストステップ」と位置付け、金属加工業界のみならず、「加工」をキーワードにした事業分野や企業価値の向上を見込める事業分野のM&Aとアライアンスの推進で、積極的に事業領域を拡大し事業の多角化を推進している。戦略投資による増収効果は28億円を見込み、中計の最終年度で2018年8月期の売上高は初年度見込み72億円と比べて、38・9%増となる100億円を目指す。また、営業利益率は2ケタを維持し15%と設定し、最終年度の営業利益目標は15億円に設定している。