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米国ウィスコンシン州に産業用ロボット製造工場 安川電機


週刊経済2025年6月25日発行号

 今後10年間で約260億円投資

モーションコントロール・ロボット開発、システムエンジニアリングなどを手掛ける㈱安川電機(北九州市八幡西区黒崎城石、小川昌寛社長)は6月16日、米国ウィスコンシン州フランクリン市に同社子会社で現地法人の米国安川㈱(イリノイ州ワキガン市)本社および生産機能などを移転集約。同地で産業用ロボットを製造する新拠点を設置する計画を明らかにした。
米国国内ではデータセンターをはじめ、インフラ投資や半導体、ロジスティクス(物流管理)などの分野で今後の需要拡大が見込まれているほか、生産現場における自動化・省力化に対する設備投資需要の急速な高まり、トランプ政権の関税政策による自国生産強化の機運も重なって今回の判断となった。
新拠点の場所はフランクリン市内の工業団地で、敷地面積は約7万4千㎡。今後8~10年をかけ、本社および技術開発部門、ウィスコンシン州にあるモーションコントロール生産工場などを移転集約。新たに産業用ロボット製造工場、トレーニング施設など最大7棟を整備する。総投資額は約260億円で、新拠点開設に伴い約700人を雇用する方針。
米国安川は現在、2027年度までの事業計画に基づき、投資額約300億円をかけウィスコンシン州とオハイオ州にあるロボットシステム工場を拡張しており、新拠点に産業用ロボット製造工場が完成すれば、米国内で産業用ロボットの一貫生産が可能となる。同社では「米国ならびに米州市場での事業力強化を通じて、お客さまへの信頼度と満足度の向上を図りながら、米国経済の成長と発展に貢献していきたい」(安川電機コーポレートブランディング本部)と話している。