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福岡市に国内初の研究開発拠点開設 アムコー・テクノロジー・ジャパン


週刊経済2025年4月30日発行号

約20人でスタート

半導体製造における「後工程」で世界2位のシェアを持つアムコー・テクノロジー(本社アメリカ)の現地法人、アムコー・テクノロジー・ジャパン(大分県臼杵市、川島知浩社長)は昨年4月1日、福岡市に開設した国内初の研究開発拠点「R&Dセンター」の稼働を開始した。

韓国を主たる製造拠点に、中国、台湾、フィリピン、マレーシアなど世界中に工場のネットワークを構築しているアムコー社。これまで研究開発は韓国・仁川の拠点が一手に担ってきたが、新たな領域の研究を進めるために、初の国外拠点を新設した。立地は、国内の生産拠点が最も集積している九州各工場への「オンサイト」でのサポート・交流のしやすさに加え、中心的な研究開発拠点を置く韓国への近さもあり、地理的に求められる条件を備えている福岡市を選んだ。

場所は福岡市博多区中洲で2023年に竣工したオフィスビル「福岡Kスクエア」。4階のワンフロア全てを貸し切り、1063㎡のオフィスとラボを設けた。今夏までに順次設備を搬入し、研究開発を本格化していく計画。人員は約20人体制でスタートしており、新卒・中途の両面から技術者の採用を進め、当面は50人体制を目指す。

新拠点の具体的な研究領域は、「半導体先端パッケージング技術の研究開発」、「先端半導体プロセスの研究及び量産に貢献可能な技術開発」、「材料に関する基礎開発及び新規材料用設備の検討」と発表している。韓国の拠点とは異なる研究領域を手掛けていく方針で、具体的なビジネスの分野として、今後もさらなる成長が見込まれる、車載向け半導体の需要増に対応するための技術開発に力を注ぐ。川島社長は「拠点の研究成果は、速やかにグループ全体へ共有できる仕組みが整っており、国内の各工場で見出された研究シーズを新拠点が集約し、グループ全体に成果を共有していくのも重要な務め。素材や装置産業に強い、日本ならではの発想を生かしたソリューションをつくり出していきたい」と話している。