NEWS

研究開発の大熊ダイヤモンドデバイスに出資 FVP


週刊経済2024年11月6日発行号

福島県に新工場建設

㈱ふくおかFG傘下の㈱FFGベンチャービジネスパートナーズ(FVP、福岡市中央区天神2丁目、吉田泰彦社長)は運営するファンドを通じて、ダイヤモンド半導体の研究開発の大熊ダイヤモンドデバイス㈱(札幌市、星川尚久社長)に出資した。
FVPのほか計10社による約40億円の第三者割当増資。同時に経済産業省による「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(製造・サービス業等立地支援事業)9次公募」にも採択された。同補助金は福島県の避難指示区域等を対象に、住民の自立・帰還や産業立地の促進等を図るために、工場等の新増設を行う企業に対して最大30億円を支援するもの。今回調達した資金は、世界初となるダイヤモンド半導体工場を建設費用に充てる。建設予定地も福島第一原発に隣接する福島県大熊町に確保しており、2024年度中に工場建設を開始、26年度には稼動を予定しており、ダイヤモンド半導体の商用化を目指す。
同社は22年3月設立。福島第一原発の事故を契機として、10年以上の研究開発に基づく製品化に向けた独自の知見と実績を蓄積している。世界でも同社だけが保有する製品化ノウハウをもとに、福島第一原発がある福島県大熊町にてダイヤモンド半導体の量産化を実現し、廃炉計画への貢献だけでなく、次世代通信・宇宙市場など世界に向けた社会実装を加速させている。FVPでは「同社が製造する革新的な半導体デバイスが、原発の廃炉実現と宇宙・次世代通信などの成長産業の発展に貢献し、日本の半導体産業を牽引する存在へと飛躍されることを強く期待している」と話している。