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県開発の亜鉛リサイクル技術を採用  三井金属鉱業    4精錬所に導入し全国展開


 三井金属鉱業株式会社(東京都品川区大崎、仙田貞雄社長)は5月31日、福岡県工業技術センターなど開発してきた「亜鉛回収システム」を岐阜県の神岡製錬所など4製錬所に採用し、全国展開することを決めた。
 これは、めっき工場で発生した排水から亜鉛金属の原料となる「高品位亜鉛スラッジ」を回収するシステム。回収した原料を亜鉛精錬工場に販売し、亜鉛地金として再生産するサイクルを目指している。 08年から県工業技術センターと九州めっき工業組合、三池製錬が共同で研究開発を進め、昨年からは三池製錬で同技術を用いた亜鉛回収事業に着手していた。
 三井金属は、このシステムを神岡(岐阜県)、八戸(青森県)、彦島(山口県)、三池(大牟田市)の4精錬所に整備して、亜鉛リサイクル事業の全国展開を計画する。まずは亜鉛めっき事業者が集積する中部地域で実証と体制整備を進め、福岡県などと連携しながら事業化を目指す。
 福岡県は「環境貢献性の高い新技術として官民で連携して研究を進めてきた技術。早期に事業化への道筋が立ってよかった」と話している。