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田川市に車両音響部品の新工場 HOWA九州


週刊経済2025年4月2日発行号

グリーンアジア国際戦略総合特区を活用

自動車内装部品メーカー・㈱HOWA九州(嘉麻市大隈町、高田智行社長)は3月21日、福岡県などが推進するグリーンアジア国際戦略総合特区を活用し、田川市に車両音響部品の新工場を建設する。グリーンアジア国際戦略総合特区を活用した工場建設は2回目。

場所は同市伊田の白鳥工業団地内。敷地面積は3万5千㎡。工場は鉄骨造り平屋建てで、床面積1万2千㎡と6千㎡の2棟で構成される。新工場では、衣服などをリサイクルしたフェルト材を活用し、車両の振動や騒音を軽減する「NV製品」を製造、トヨタ自動車九州㈱や日産自動車九州㈱に供給する。8月に完成、10月から稼働する。総投資額は21億円で、新工場の従業員数は36人。

同日、県庁で開かれた交付式では、江口勝副知事から高田社長に法人指定書が手渡された。交付式で江口副知事は「2回目の指定を受け新設される新工場ではトヨタ九州や日産九州で生産されるハイブリット車や電動車向けの内装部品を製造され、世界的な競争力強化に大きな貢献をされることになる。しっかりと取り組みを進めてほしい」とあいさつ。高田社長は「2回目の指定を受けたことは光栄。衣服のリサイクル材を活用した製品づくりは環境に配慮した製品そのもの。メーカーから求められる自動車の静粛性向上に貢献できる新たな生産拠点を目指していきたい」と意気込みを語った。

同社は愛知県春日井市に本社を置く㈱HOWAの生産子会社。1992年に現在の嘉麻市に拠点を開設、2019年1月に1回目のグリーンアジア国際戦略総合特区の法人指定を受け、苅田町の日産自動車九州㈱近くに完成車の荷室に使われる内装部品の工場を建設している。今回の新工場建設で県内における生産拠点は3拠点となった。同社の指定にょり、特区制度を活用して設備投資を行う企業数は81社、設備投資額の累計は約4870億円、新規雇用者数の累計は約3020人に上る。