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欧州で眼内手術用染色剤を発売 アキュメンバイオファーマ 9月27日から
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九州大学発の創薬ベンチャー企業、アキュメンバイオファーマ株式会社(福岡市東区馬出3丁目、鍵本忠尚社長)は9月27日、眼内手術の際に網膜を染色する染色剤を欧州全土で発売した。
製品名は「ILMブルー」で、青色の染色剤。同社が開発を進めてきたもので、化合物「BBG」を主成分としている。09年9月にオランダの眼科手術用薬品、医療機器の大手メーカー、ドルク社と共同開発契約を結んで販売に向け開発してきたもので、EMEA(欧州薬品審査庁)の販売承認を得て発売に至った。従来の色素に比べ少量で染色できるため安全性が高いという。硝子体手術で網膜上に存在する内境界膜(ILM)をはく離する例や、白内障手術で使用される。
鍵本社長は、「世界の市場は60億円から百億円、欧州の市場はその4分の1ほど」と見ており、3年後に10億円の売り上げを見込む。また、「染色剤を用いることにより手術できる医師が増え、より多くの患者が手術を受けられることが期待できる。日本のバイオベンチャーが開発した製品が実用化されるのは初めて。米国FDA(アメリカ食品医薬品局)と日本での承認を得て、日米で2012年の販売開始を目指していきたい」と話している。
同社は2005年4月設立。資本金は1億円。従業員は1人。鍵本社長は熊本県出身、1976年12月1日生まれの34歳。九州大学医学部卒。趣味は園芸。