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東京五輪、特需に期待感も自社業績反映は2割  帝国データバンク福岡支店    九州企業の意識調査


 株式会社帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴2丁目)が実施した2020年東京五輪に対する九州企業の意識調査によると、九州・沖縄に本社を置く企業で五輪開催が日本経済に特需をもたらすと回答した企業は75・7%だった。一方で自社の業績にプラスの影響を与えると認識した企業は23・5%にとどまった。調査対象は1948社で、有効回答企業数は834社。
 日本経済全体に五輪特需が「ある」と回答した企業からは「スポーツ施設のリノベーションと新設工事が景気浮揚に好影響を与える」(鉄鋼卸売、沖縄県)や「観光を活性化させる土壌づくりのチャンス」(飲食良品卸売、長崎県)、「全国に効果が波及することを期待する」(建設、佐賀県)といった声が挙がった。一方、特需が「ない」と回答した企業からは「地方には波及しない」(建設、大分県)や「東京の一極集中だけに終わりそう」(建設、福岡県)など地方には広がらないとする意見が見られた。
 自社の業績への影響については「影響はない」が47・6%で最も高かった。一方でプラスの影響があるとした企業は23・5%。「プラスの影響」と回答した企業を業種別に見ると「製造」が28・7%(回答社数10社以上)で最も高く「運輸・倉庫」が27・3%、「卸売」が24・4%と続いた。「建設」は16・5%と、全国調査の33・9%よりも低かった。マイナスの影響があるとする企業は6・1%にとどまった。
 また、東京五輪が日本経済を押し上げるために解決すべき課題については「原発事故処理」が79・0%(複数回答)で突出。さらに「震災被災地の復興」が53・5%と5割を超え、東日本大震災に対する解決を重視している様子がうかがえる。次いで「公共インフラ整備の加速(耐震化、バリアフリー化、交通インフラなど)」が40・2%、「東京一極集中の解消」が36・3%と続いた。「東京一極集中の解消」は全国の30・3%より6・0ポイント高く、「観戦者の地方への誘導策」は27・1%と全国の23・0%に比べて高かった。企業からは「五輪開催に向けて原発の事故処理や被災地が復興することで、日本の技術力や有用性が世界に示せる」(鉄鋼、福岡県)や「開催自体はプラスだが、日本経済全体で言えば財政再建、人口減少など重大な問題が多数あり、様々な対策が必要」(機械器具卸売、大分県)という声が挙がった。一方で、日本の持続的な経済成長のために五輪開催は「有効」と答えた企業は66・3%に上り「今までの日本から生まれ変わるチャンス、新たな需要や市場が生まれることを期待する」(鉄鋼、福岡県)、「オリンピックを機にアジアの中心であることを再認識し、日本の良さを全世界に知ってもらう良い機会になる」(産業用電気機器卸売、福岡県)など、海外や生活面への影響を期待し、五輪開催を積極的に評価している様子がうかがえる。
 同社では「期待感は全国並みに高いものの、自社の業績への反映とは落差がある」と話しており「アベノミクス効果により再び成長過程に入った日本経済にとって、2020年東京五輪は新たな起爆剤となる存在といえる。しかし、東京ばかりに施策が集中して〝地方への対応がなければ東京のみが潤い、地方は疲弊していく〟(機械器具卸売、大分県)という声を政府は忘れないでほしい」とまとめている。