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新興市場への株式公開を構想  スマイル通販    新年から本格的な準備に着手


 インターネットのショッピングモールなどを運営する株式会社スマイル通販(福岡市中央区薬院1丁目、金井龍男代表取締役会長)は、数年後をめどに新興市場への株式公開を構想している。
 同社はカタログ形式の通信販売から05年12月にインターネットのショッピングモール業界に参入。後発ながら一般消費者向けサイト「Smile Tsuhan」と並行して店舗の集客・販売を促すアフィリエイトサイトなど7つのサイトを併設するなどの独自戦略で、月間1500万ページビューを超え、順調に出店者数を拡大。一方で、併営する昨年10月に開設した店舗や会社をスピーディに検索できる「スマイル検索隊」が1年間で登録数2万件を突破するなど急成長を遂げており、09年12月期は売上高が8億円で前期比約30%増、経常利益が1億円で同16%増を見込んでいる。今年10月には「Smile Tsuhan」への出店料を“業界最安値”という月額費用2980円のみで出店できるプランを新設し、1年間で8倍となる3000店の出店を目指すほか、「スマイル検索隊」では10月から本格的に代理店の募集を開始。「遅くとも2年以内に2・5倍となる売上高20億円突破を見込んでいる」(金井会長)。上場準備に関しては、今年6月監査法人に簡易監査を依頼。来年から資本政策や内部体制強化など本格的な準備に着手する。金井会長は「今の会社の形態なのか、ホールディングスといった持ち株会社での上場なのかなど今後の検討材料だが、来年から本格的に準備を進めていきたい」と話している。
 同社は1997年3月設立。資本金1300万円。従業員10人。08年12月期は売上高が6億3400万円、経常利益が8600万円。金井会長は、山口県下関市出身。1964(昭和39)年2月16日生まれの45歳。16歳で自立を決意し高校中退後、兄が経営する自動車板金塗装会社に就職。21歳から4年間、福岡市の自動車販売会社で修行。24歳で下関に帰郷し、自動車会社を設立。急成長するも「自らの勉強不足とワンマン経営が原因」で、95年11月倒産、負債総額3億5000万円。その後、福岡市に本拠を置き、健康・美容商材を扱うジャパンコーポレーション創業。約4年間で負債を返済した矢先、交通事故で左手指3本を切断。パニック障害やうつ病などに悩まされるが、97年に設立した同社の前身会社でのカタログ形式の通販で成功。その後、ネットビジネスに着目して独学を重ね、ネット業界に参入。趣味は海釣り。