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数十億円かけ、伊都キャンパスに新講堂 九州大学 三洋信販創業者の椎木氏が全額寄付
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九州大学(福岡市東区箱崎6丁目、有川節夫総長)は来年11月、消費者金融の三洋信販創業者で、しいき教育文化振興基金会長を務める椎木正和氏から数十億円の寄付を受け、伊都キャンパス(西区元岡)に新しい講堂を建設する。完成予定は14年2月。
地域の教育、文化振興への関心が高い椎木氏の要望で実現した。建物は椎木講堂と名付ける。新講堂は床面積9千~1万平方mを予定。設計は椎木氏の要望で、海の博物館(三重県)などを建設した内藤廣氏が担当するが、現時点で主ホール(固定約12百席)とサブホール(可動約18百席)のほか、カフェ、レストラン、展示ギャラリー、会議室などを設置することが決定している。
同大学では入学式や卒業式を毎年福岡国際センターで開催しているが、完成後は新講堂の両ホールで行う予定。また、現在箱崎キャンパスにある総長室も移転し、総長も常駐する。有川総長は、「新講堂は伊都キャンパスで最も大きな建物になる。寄付者の椎木氏に感謝するとともに、同氏の理念である、地域の教育・文化の振興を同施設が担えるよう励みたい」と話している。
椎木氏は行橋市出身、1928年2月20日生まれの83歳。46年に日本国有鉄道門司鉄道管理局に入局。49年に福岡市警察局警察官に。59年に三洋商事(三洋信販の前身)を創業、72年三洋信販社長、98年から代表取締役会長などを務めたが、過剰請求による利息の返還問題などの影響で経営が悪化。07年に三井住友グループのプロミスによる買収を受け入れ、同年に経営から手を引いていた。文化振興に関しては、三洋信販時代から活動しており、大分県別府市に著名なピアニストのアルゲリッチ氏を招へいし、毎年音楽祭を開いている。