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広さ10倍の新拠点稼働へ、年10機の生産体制に QPS研究所
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週刊経済2025年3月5日発行号
服部知事訪問し稼働開始を報告
小型人工衛星の開発を手掛けるQPS研究所㈱(福岡市中央区天神、大西俊輔社長)は2月25日、新たな開発拠点「Q-SHIP」(キューシップ)が完成し、3月から本格稼働を開始することを明らかにした。
九大発ベンチャーとして小型SAR衛星の開発に成功し、現在までに8機の衛星を打ち上げている同社。将来的に36機の衛星打ち上げを目標に、株式上場や大規模な資金調達などのステップを経てきたが、従来の開発拠点は年4機の生産能力が限界だったため、量産に向けた新拠点の検討を進めてきた。新研究開発拠点の概要を見ると、広さは従来工場の約10倍の面積(4500㎡)となり、小型SAR衛星の製造が10機まで可能となった。拠点内には製造関連装置や試験機器、クリーンルームなどをワンフロアに集約。拠点の場所は「福岡市近郊」としており、セキュリティの面から非公開。現在は部分稼働を開始しており、最新の9号機は同拠点から出荷されたという。
同日、服部誠太郎知事への表敬訪問で拠点新設を報告した大西社長は、「2028年までに24機を打ち上げることを目標に、新拠点で開発のピッチを上げていく」と決意を新たにした。服部知事は、「御社の活躍により、福岡から世界に羽ばたく宇宙ビジネスが本格的に加速し始めている実感がある。県としても、今後も全力で支援していく」とエールを送った。