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宿泊棟をリニューアルオープン 御花


週刊経済2025年1月15日発行号

制服、アメニティも一新

柳川市の料亭旅館㈱御花(柳川市新外町、立花千月香社長)は1月11日、昨年7月から休業していた宿泊棟の「松濤館(しょうとうかん)」をリニューアルオープンした。

創業75周年の節目に合わせて昨年7月からロビーや客室を改装したもので、構想から2年がかりで完成した。全20室の新たな客室は「黒松」、「蜜柑」、「芍薬」、「黒椿」、「菖蒲」、「橙」、「鶴」、「藤」の8タイプ。各部屋の宿泊料金はスタンダートツインの「藤」は3万8700円から、国指定の文化財である日本庭園「松濤園(しょうとうえん)」を望む特別室「黒松」は8万3200円からなど。

リニューアル後の内装は「100年先も変わらない素朴な空間」をコンセプトに、上質で普遍的な温かみある空間づくりを目指した。エントランス・ロビー・ラウンジには八女提灯や、佐賀県諸富市のレグナテック㈱の家具を導入。そのほか経年劣化を楽しめる自然素材や屋敷で使われていた基礎の布石を石畳やオブジェとして使用するなど、約400年間続く立花家の歴史を感じさせる演出にこだわった。また、従業員の制服やシャンプーなどのアメニティ、館内着の浴衣もオープンに合わせて一新した。アメニティはプラスチックを排出しない包装や、柳川の堀に流れても自然に分解される成分のものを選定し、環境に配慮している。浴衣はインバウンド客からの土産需要が高いため、今後は販売できる体制を整えるとしている。

立花社長は「コロナ禍にゆっくりとした時間を過ごすことが増え、宿泊の提案力が高まったと同時に、文化財である建築物や庭園などを楽しめる御花の価値を再確認し、今回のリニューアルで表現している」と話している。