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定修工事好調で通期予想を上方修正 高田工業所


週刊経済2024年12月11日発行号

髙田寿一郎社長に聞く

―上期は増収、営業・経常利益は増益だった。
髙田 今期は定期修理工事が4年に一度の「スーパーメジャー」の年で、化学や石油・天然ガスプラントを中心に工事が増えている。また上期末の受注残高も増加しており、通期の利益予想を上方修正した。
我々建設業にとって今期は残業規制の適用も始まり「働き方改革元年」で、業績面ではプラス材料にならないと見ていたが、今までのところお客様にご理解・ご協力をいただき、順調に調整が進んでいる。一方で内部的には、法定の残業時間を上期でかなり消化した社員もいるなど、通期で見ると油断できない要素もある。ただ当社では、絶対に法令は遵守する姿勢で臨んでいる。
―受注高も伸びている。
髙田 製鉄のカーボンニュートラル関連など、先々の案件がうまく受注できている。また今期は、次の定修工事の事前相談なども増えている感がある。人手不足や2024年問題を背景に、お客様の側でも早めに押さえておきたいという心理が働いているようだ。
―上期決算発表時に「中長期の展望」も公表した。
髙田 来年9月で創業85周年だが、100周年の2040年頃に売上高1千億円を目指せる企業グループになるためのマイルストーンになる。
その5年後、90周年の2030年に向け、プラント事業の再構築や、プラント設備の設計・機器の調達・建設・試運転に至るまで一括して請け負うEPC(エンジニアリング プロキュアメント コンストラクション)事業強化の加速、装置・診断事業の成長といった戦略を軸に、連結売上高700億円、営業利益35億円など数値目標も打ち出している。現在の状況から見て、そのくらいの規模・内容にはしていきたい。
―今年9月には新本社の計画も発表した。
髙田 場所は八幡東区枝光のアクティブリゾーツ福岡八幡跡地で、ジ アウトレット北九州から仰ぎ見る位置の高台。敷地が約1万坪、法面を除いても約8千坪と現在の約4倍の広さで目立つ立地なので、ある程度の高さ、容積の建物にしたいと考えている。移転は3~4年後を想定している。
―現本社周辺には本社工場や組合の労働会館もあるが。
髙田 工場は移さない予定だが、労働会館は新社屋に入居してもらえればと考えている。また跡地については白紙で、これから検討していく。
―11月には熊本県菊陽町に熊本CS(カスタマーサービス)センターを開設した。
髙田 設備診断事業と半導体関連の装置事業を半導体産業に展開していく目的で、半導体の製造拠点が進出している熊本に営業拠点として設置した。当社の電流情報量診断システム「T―MCMA」のデモンストレーションや半導体の基板を切断する「超音波カッティング装置」のカットサンプルなどを展示し、メーカー「TAKADA」の知名度を上げていきたい。現在、常駐は1人だが、本社の技術員が営業マンとなって随時、対応していく。