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学内に医療診断技術開発センター研究拠点を開所  九州産業大学    カラー電子顕微鏡の製品化目指す


 九州産業大学(福岡市東区松香台2丁目、山本盤男学長)は10月28日、学内で新規蛍光色素を用いた医療診断技術の実用化を目指す研究施設「医療診断技術開発センター」の開所式を行った。
 同センターは今年4月、DNA検出や免疫組織の化学染色、疾病診断に欠かせない蛍光色素を活用した医療診断技術の向上を目的に、同大学7号館に開設。事業計画に伴う研究設備の導入および組織体制の構築を経て今回の研究活動開始となった。同センターではこれまで磯部信一郎センター所長(九州産業大学工学部物質生命化学科教授)を中心に、自ら開発した国産初となる免疫染色用蛍光色素「フローリッド‐W」の性能強化に努めてきたが、本格的な研究活動がスタートしたことで新たな蛍光色素の開発、それに伴うカラー蛍光電子顕微鏡の製品化、がん診断などの疾病診断アプリケーションの開発を手掛けるのが狙い。
 場所は同大学敷地内7号館5階フロア。フロア面積は149平方m。センター内には分光蛍光光度計、マルチチャンネル分光器、紫外可視近赤外分光光度計、インテリジェント蛍光検出器、システム生物顕微鏡などを設置。研究員は磯部所長ほか、満生慎二・九州産業大学工学部物質生命化学科教授、青木幹太・同芸術学部デザイン学科教授、鶴田和寛・同工学部バイオロボティクス学科教授、佐野洋一・同総合機器センター助教授、矢住京・同産学連携支援室研究員の6人体制となる。同センターでは今後、独立行政法人産業技術総合研究所つくばセンターや九州大学病院整形外科中央形態分析室、九州大学、久留米大学、産業医科大学など13大学・研究機関・企業と連携し、4年後には高耐性の蛍光試薬技術と2万倍以上の解析度を持つ蛍光電子顕微鏡の製品化を目指す。
 磯部教授は宗像市出身の53歳。九州大学大学院総合理工学研究科分子工学専攻博士課程修了(工学博士)後、2001年8月から04年3月まで九州大学大学院工学研究院科学技術振興博士研究員。九州大学先導物質化学研究所非常勤講師(現任)を経て、06年4月に九州産業大学工学部物質生命化学科准教授、12年4月に同大学同学科教授。趣味は車いじり。