NEWS

  • 地域

天然水に抗糖尿病効果  日田天領水    オランダの学術誌で紹介


 大分県日田市の株式会社日田天領水(同市中ノ島町、石井嘉時社長)が製造販売する天然水の抗糖尿病効果がこのほど研究者によって証明され、動物細胞工学の世界的な学術誌で紹介された。
 これは、九州大学大学院システム生命科学専攻(福岡市東区箱崎)の白畑實隆教授を中心に、日本と中国の研究者10人が携わった論文で、オランダのSpringer社から出版された。書名は、「Animal Cell Technology:Basic&Applied Aspects Vol・16」で、世界的学術誌として通販サイトのAmazonで販売している。
 内容は、同社が販売する天然水「日田天領水」で処理したマウスの細胞実験の結果、血糖値を抑制する作用が発見されたほか、人間の臨床実験でも血糖値を調節するインスリンが、通常の5倍ほど分泌され改善したことを実証した。さらに、中国吉林省長春市中央病院で、同水を飲用した65人の糖尿病患者と50人の高脂血症患者が毎日2リットルの水を2カ月間飲用した結果、糖尿病患者の89%で血糖値が平均14%低下し、両患者のうち92%の回答者のトリグリセリド(中性脂肪)が平均30%、総コレステロールが平均20%低下したことが分かった。
 これらの実験により、同水は、糖尿病に伴う過剰な活性酸素を抑制することが実証された。活性酸素は体内の病原菌ウイルスやがん細胞を殺し、不要な物質を分解するが、強い毒性があるため過剰発生すると生体の障害となり、さまざまな疾病を引き起こし、老化の原因にもなるという。疾病改善のメカニズムの全容は解明されていないが、白畑教授は「活性水素を多く含む日田天領水は、体内の活性酸素を正常に保つ作用をもち、この飲用により、アレルギー患者の改善も見られた」と話している。
 一方、同社の石井社長は「抗糖尿病効果が科学的に証明されたことにより、日田天領水をより多くの方々に広めていきたい。さらなる研究で今後、治療薬として使用していただけたら」と話している。
 同社は1999年設立、資本金1千万円、従業員百人。「日田天領水」は大分県日田市の深い地層からくみ上げられ、1999年に販売開始。05年から5年連続でモンドセレクション最高金賞に選ばれている。