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売上高は9・7%減の522億5700万円で減収減益 高田工業所3月期


週刊経済2024年6月12日発行号

当期純利益は1・3%増

プラント建設の㈱高田工業所(北九州市八幡西区築地町、髙田寿一郎社長)の3月期連結決算は、売上高が前期比9・7%減の522億5700万円、経常利益は12・3%減の23億8500万円で減収減益だった。
製鉄プラントのカーボンニュートラル関連建設工事が増加したが、化学プラントが定期修理工事のマイナー年で、加えて大型建設工事等が減少したことで減収、営業利益も10・4%減の24億円となった。当期純利益は特別利益計上で1・3%増の16億6800万円だった。髙田社長は「前期は、設計・調達・建設を一括で請け負うEPCの大型案件もあり、当期はその反動もあったが、半導体関係などで予想よりも工事量が多く、期中に上方修正できたことは良かった。また当期中に、福岡銀行に対して発行した優先株の残りの150万株全てを買い戻して消却できたことことも大きかった」と語っている。
工事種別の売上高(個別)は、化学プラントが25・5%減の208億500万円、製鉄プラント15・4%増の114億4200万円、エレクトロニクス関連設備・装置は3・6%減の68億9700万円、電力設備は17・8%減の16億7400万円、石油・天然ガスプラントは6・7%増の13億7700万円、社会インフラ設備は53・9%減の3億7000万円、その他は22・8%減の13億1700万円だった。
受注状況は、化学プラントが7・6%減の190億7700万円、製鉄プラントは20・0%増の139億3200万円、エレクトロニクス関連設備・装置は30・2%減の59億6600万円、石油・天然ガスプラントは81・3%増の22億8800万円、電力設備は29・1%減の8億2000万円、社会インフラ設備は5・3%減の5億7100万円、その他は9・8%増の17億8400万円で、全体の受注高は2・2%減の444億4200万円。「受注全体は前期ほどではなかったが、総情報量は高い水準を維持しており、引き続き半導体やカーボンニュートラルの案件が目立っている」という。
今期連結業績は、化学プラントの定期修理工事メジャー年であることから売上高は9・1%増の570億円を見込むが、人件費・資機材の高騰によるコスト上昇に加え、今年度から建設業でも適用された時間外労働の上限規制による生産性・効率の低下で利益率悪化を予想、営業利益は29・2%減の17億円、経常利益は31・2%減の16億4000万円、当期純利益は34・1%減の11億円を見込む。髙田社長は「今年度は定期修理工事がメジャーで、後半からは製鉄プラントでカーボンニュートラル関連の工事が本格化するので、本来なら増収増益を目標としたいが、残業規制がマイナス予想の要因。一方今後に向けては、昨年日揮㈱とEPCの協業をスタートさせ若手エンジニアを先方に派遣しているため、数年後には本格的にEPC案件を取り込めるようになると期待している」と話している。