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売上高は過去最高の2兆3568億円 九州電力


週刊経済2025年5月21日発行号

前期比10・2%増で2期ぶりの増収

九州電力㈱(福岡市中央区渡辺通2丁目、池辺和弘社長)の2025年3月期決算は、連結で売上高が前期比10・2%増の2兆3568億3300万円、経常利益は同18・3%減の1946億6900万円、当期純利益は同22・6%減の1287億6600万円の増収減益だった。増収、減益ともに2期ぶり。

猛暑や厳冬に伴う冷暖房需要等による小売り電力販売量などが増加した一方、燃料費調整の期ずれ影響による差益の減少、卸電力取引価格の変動により、減益となった。収入面では国内電気事業で小売販売電力量の増加があったものの、燃料費調整の影響などにより小売販売収入などが減少したが、卸売販売電力量の増加や、同年度から新たに容量確保契約金額を契約したことなどにより、前期比で10・2%の増収、売上高は過去最高となった。支出面では卸電力市場価格の上昇に加え、他社受電の増加や容量拠出金の計上により、購入電力量が増加したことから、経常費用は前期比で14%増となった結果、経常利益で18・3%減、当期純利益は減損損失や会社事業に係る損失を特別損失として計上したため、22・6%減となった。

26年3月期は、前年度の気温影響による冷暖房需要の反動減により総販売電力量が減少することなどから売上高は4・5%減の2兆2500億円、経常利益は売上高の減少や原子力発電所の稼働減などにより、17・8%減の1600億円、当期純利益は6・8%減の1200億円と減収減益を見込んでいる。

会見で池辺社長は「売上高が過去最高になったのは原子力発電所をはじめ、従業員の皆さんがしっかりメンテナンスをしてくれたおかげで電力を供給することができた」と話し、減益については「燃料費期ずれ影響などもあったが、過去2番目の実績。2025年の財務目標を前倒しで達成できたことは企業としての体力がついているから」と講評した。そのほか、2025年度の懸念材料として、池辺社長は米国・トランプ政権による関税措置を挙げ、「九州には自動車や半導体など輸出産業がある中、下請け企業への影響が懸念されている」と述べた。