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境内西側の奉安殿に木造亀山上皇立像  筥崎宮    高さ6メートル、重さ1トンの県指定文化財


 福岡市東区箱崎1丁目の筥崎宮(田村靖邦宮司)はこのほど、境内西側に完成した奉安殿に県指定文化財の「木造亀山上皇立像」を安置し、10月20日、一般公開した。
 博多区の東公園にある銅像亀山上皇の立像の原型で、高さ約6メートル、重さ約1トン、ヒノキ製。木像は銅像の鋳型を取るため1902年に作られ、一時所在不明になっていたが、その後読売新聞社が所有し、東京の「よみうりランド」で公開していた。2008年に関係者から亀山上皇とゆかり深い同宮に寄贈され、太宰府市の九州国立博物館に一時保管。その間、経済人や市民、団体に奉賛を募り、高さ約9メートルの木造平屋建ての奉安殿を建設した。
 同日、公開を前に本殿で奉告祭、奉安殿前で式典を開催。河部浩幸・福岡商工会議所会頭や麻生渡・前福岡県知事ら関係者250人が見守る中、同殿の扉が開かれ巨大な木像が姿を現した。田村宮司は「博多と上皇のつながりを知ってもらうきっかけになり、博多の文化、経済の発展や地域の観光振興に寄与していきたい」と話している。
 亀山上皇(1249-1305年)は元寇の文永の役(1274年)で社殿が炎上した筥崎宮の再興にあたって親書を託し、国の安寧(あんねい=平穏無事)を願ったとされる。