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国登録有形文化財に登録へ 冷泉荘など3件


週刊経済2024年8月28日発行号

早くて年内に

田所商店倉庫(北九州市八幡東区祝町2丁目)と冷泉荘(旧八木アパート、福岡市博多区上川端町)、吉村家住宅(旧大力家住宅)主屋(うきは市浮羽町)の建造物3件が7月19日、国の文化審議会文化財分科会の審議・決議を経て国登録有形文化財になる見通しとなった。
国登録有形文化財(建造物)の登録基準は、原則として建設後50年を経過し、かつ国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないもののいずれかに該当するもの。田所商店倉庫の建設年代は昭和前期と推定されており、戦後、茶舗を営む田所商店の所有となり茶製品の収蔵倉庫として使用されていた。鉱滓煉瓦(こうさいれんが)」を用いた地域性豊かな倉庫かつ地域の歴史的景観に寄与する建築として評価された。冷泉荘は1958年建設の鉄筋コンクリート造の集合住宅で、旧博多部に残る戦後復興期の民間集合住宅として貴重であることなどが評価された。吉村家住宅主屋は、農山村集落に所在する昭和前期の農家住宅で、現在まで杉皮葺屋根が残る希少な民家であることなどが評価された。官報告示後、早くて年内に登録になる見通しで、県内の国登録有形文化財(建造物)は222件となる。