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取水設備建屋など関連工事が最終段階へ  那珂川町の五ケ山ダム    昨年10月から試験湛水開始


 福岡県が工事を進める五ケ山ダム(那珂川町、佐賀県吉野ヶ里町)が、完成を1年後に控え、関連工事が最終段階を迎えている。
 県五ケ山ダム建設事務所によると、2012年6月に着工したダム本体工事はすでに終了、現在は堤体上に設けられた取水設備を保護するための建屋工事のほか、管理用発電設備などの工事が終盤を迎えている。また、昨年10月からは本格的な運用を前に、実際に水を貯めてダムの機能を確認する試験湛水(たんすい)がスタート。約130ヘクタールの湛水面積を有するダム湖の水位は4月13日現在、標高約379メートル(進捗率23%)まで達している。
 福岡市中心部を流れる那珂川の源流に建設中の同ダムは、ゲリラ豪雨などによる大水害に見舞われる流域の治水機能向上や、大渇水リスクを抱えている福岡都市圏の水道用水確保を目的にした多目的ダム。1979年度に実施調査を開始、88年度に建設事業に着手後、12年6月から本体工事が着工していた。総貯水量は4020万立方m。下流にある南畑ダムの6・7個分の容量があり、県内では最大規模となる。総事業費は1050億円。ダムの完成に合わせ、那珂川町では管理棟近くに商業施設の建設を計画しており、新市発足を前に新たな観光名所として活用する方針。