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    博多駅周辺の容積率最大50%加算 福岡市


    JR九州などが協議会

    福岡市(高島宗一郎市長)は5月29日、博多駅周辺のオフィスビルの建て替えを推進する「博多コネクティッド」の概要を発表した。
    天神ビッグバンに次ぐ都市部の建て替え誘導を目指す制度。博多駅から半径約500メートルが対象エリア。10年間で20棟の建て替え誘導を目標とする。今回発表のインセンティブ制度では、既存の容積率緩和制度に、最大50%の容積率緩和が追加されたことや、これまで公開空地評価の低かった屋根のある広場などでは評価を最大2・5倍にすることなどが盛り込まれた。
    また、国の特定都市再生緊急整備地域をはじめ、国の税制優遇制度などを幅広く活用するほか、認定ビルへのテナント優先紹介や市によるPRなども含まれる。そのほか、航空法の高さ制限では個別計画ごとの特例承認に向けた市独自の支援も行う。
    さらにインセンティブのほか、市による筑紫口駅前広場の再整備の検討や、JR九州、西日本シティ銀行、福岡地所など民間による協議会「博多駅エリア発展協議会」が発足した。
    同日、設立総会を開き同協議会の会長にJR九州の松下琢磨上席執行役員を選出した。副会長に西日本シティ銀行の入江浩幸取締役専務、福岡地所の榎本一郎社長が就き、エリアにビルを所有する17社が参加した。築40年以上の建物が多く集積する博多駅エリアでビルの建て替えによる都市機能更新を目指したもの。1月末から準備会が進められていたという。
    JR九州の青柳俊彦社長は「例えば線路上空などに博多コネクティッドを最大限生かしたものを計画したい。市や他の企業と一丸になって博多の街づくりに貢献していく」。西日本シティ銀行の髙田聖大副頭取は「地権者としてだけでなく、専用融資商品の開発などでも博多の発展の一助になりたい」。福岡地所の榎本社長は「わが社はエリア内に6棟ビルを持ち、筑紫口の地権者と最終協議中のプロジェクトがある。アジアの玄関口であり歴史と伝統のある博多にふさわしいビルをデザインしテナント誘致に努めたい」とそれぞれの企業の代表者は貢献への意欲と展望を示した。協議会の松下会長は「これまでにも博多地区ではさまざまな街づくり活動が行われており、それらの継続とコネクティッドの相乗でさらににぎやかで美しく安心できる博多を作りたい」と話した。
    高島市長は「建て替えによってビルの機能性を高め、イベント会場になる屋根のある広場を増やすことで人のつながりが盛んな環境を作る。博多コネクティッドによるエリア全体のマネジメントに期待する」とコメントした。
    福岡アジア都市研究所の試算では、博多コネクティッドによる10年間20棟の建て替えで、建て替えたビルの延べ床面積は約34万1000㎡が約1・5倍、雇用者数約3万2000人が約1・6倍になり、建設投資効果約2600億円、完了後の経済波及効果は年間約5000億円が見込まれている。
    協議会の理事にはエヌ・ティ・ティ都市開発、竹中工務店、西日本鉄道、JR西日本、三井不動産から、会計監事には福岡銀行から就任した。会員の企業は朝日新聞社、紙与産業、九州勧業、シティビル、住友生命保険、日本生命保険、八百治、安田不動産。今後参加企業をさらに拡大するという。

    2019年6月11日発行