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北九州響灘地区のひびきLNG基地着工 西部ガス 総投資額7百億円、2014年稼働
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西部ガス株式会社(福岡市博多区千代1丁目、田中優次社長)は、北九州市響灘地区(同市若松区向洋町)での大型LNG(液化天然ガス)受入基地「ひびきLNG基地」の本格的な建設工事を始めた。
ひびきLNG基地は、低炭素化社会の進展に伴い、二酸化炭素(CO2)排出量の少ない都市ガスの産業用分野を中心とする需要拡大を見込んで、同社と九州電力株式会社(福岡市中央区渡辺通2丁目、眞鍋利應社長)との共同出資(西部ガス90%、九州電力10%)会社・ひびきエル・エヌ・ジー株式会社(川原道憲社長)が建設、運営する大型LNG船の受け入れが可能な大型LNG基地。総投資額は約7百億円。7月から造成などの準備工事を進めており、このほど本格着工した。稼働予定は2014年11月。場所はひびきコンテナターミナルの対岸地区で、敷地面積は約32万5千平方m。18万キロリットルのLNGタンク2基とLNG気化器、ローリ出荷設備、外航LNG船受入バースなどを備える。
基地完成後は高圧導管の導入で福岡県内に分散している設備を集約化し、コスト低減を図る。供給地域は福岡市、長崎市のLNG基地から約70kmに営業範囲を設定しているが、田中優次社長は「最低でも百km以上にしたい。熊本南部や大分県内も対象になってくる」とエリア拡大も検討している。
さらに大型LNG船の受け入れで調達先の多様化が可能となり、最大20%の調達コスト低減を見込んでいる。大型基地の稼働で北九州工場(同市若松区)は合理化の観点から廃止し、福北工場(福岡市東区)も休止もしくは廃止する。同社では「天然ガス供給基盤を大きく改善する中核基地となり、経営基盤の強化につながる」と話している。