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佐賀固有の柑橘類に育毛作用のメカニズム  東洋新薬    血流改善作用を臨床試験で確認


 健康食品受託メーカーの株式会社東洋新薬(福岡市博多区博多駅前2丁目、服部利光社長)はこのほど、佐賀県固有の香酸柑橘類「ゲンコウ」果皮抽出物の育毛作用のメカニズムの一つとして血流改善作用を確認。3月27~30日に熊本市で開催された日本薬学会で発表した。
 「ゲンコウ」は、佐賀県馬渡島(まだらしま)に自生する香酸柑橘類の一種で、佐賀県固有の希少な果実。果皮が厚く、酸味が強いことから、地元では調味料としても利用されている。また柑橘果皮に含まれる成分には抗炎症作用、血流促進作用があるという報告もあり、近年、柑橘果皮の機能性に注目が集まっている。すでに同社は、ゲンコウ果皮抽出物が毛乳頭細胞における育毛に関与する成長因子の発現を高進させることを、細胞・遺伝子レベルで確認し、また動物試験においても育毛作用を確認。今回はその追加知見を得るため、新たな臨床試験で検証した。
 今回の試験では、健常成人6人(34・7±4・3歳、男性2人、女性4)を対象に、ゲンコウ果皮抽出物含有溶液(ゲンコウ群)と、同抽出物を含まないプラセボ溶液(プラセボ群)に片手を1分間浸漬させ、浸漬直後、10分後、20分後の指先の皮膚血流量をそれぞれ測定した。その結果、ゲンコウ群ではプラセボ群と比較して、20分後の皮膚血流量が有意に高くなることを確認。以上のことから、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用のメカニズムの1つとして、血流改善作用が関与していることが示唆された。
 同社では「今後も『ゲンコウ』の機能性を探求し、独自性の高い素材開発、商品開発に注力していきたい」としている。