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低コスト超低温冷凍機販売の会社設立 矢山英樹九州大学大学院准教授ら 夏頃に発売
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九州大学大学院の矢山英樹准教授らは、3月1日、専門技術を応用した実験用の低コスト超低温冷凍機を販売する会社を設立した。
会社名は株式会社低温技術研究所(略称・LTラボ)で資本金は500万円、学内規定で職員は代表権を持てないため、矢山准教授は取締役会長に、社長には、ビジネスパートナーでコンサルタント業を営む武石誠司さんが就いた。社員数は3人。登記上の本社は武石社長の自宅で、オフィスは春日市の九州大学筑紫キャンパス内に置いているが、5月中旬をめどに福岡市東区箱崎6丁目の九州大学内ベンチャーラボラトリーに移転する。
超低温冷凍機には、物の温度をほぼ絶対零度(マイナス273℃)まで下げられる「希釈冷凍機」とマイナス269℃まで下げられる機械式があるが、希釈冷凍機は高価な液体ヘリウムを使うため、1階の実験で数万円から40万円ほどのコストがかかり、価格も数千万円という。矢山准教授が開発したのは、機械式と希釈冷凍の2つの方式を組み合わせることで液体ヘリウムを消費せず、通常の希釈冷凍機の40分の1のランニングコストでほぼ絶対零度を実現できる「無冷媒希釈冷凍機」。価格は未定だが、「性能を見極めながら、従来品より安い設定にする」(武石社長)考えで、7~8月頃をめどに販売を開始する予定。年間の販売目標は特に設定していないが、「年間3台ほど販売できれば、会社の運営は賄える」(同)としている。商品は、大学など研究機関に直接、もしくは代理店による販売を計画している。
武石社長は1955年12月29日生まれの52歳、福岡市出身、九州大学大学院産業マネジメント専攻修了、趣味は山登り・旅行・ボート。矢山会長は、1954年5月14日生まれの53歳、朝倉郡三輪町出身、九州大学大学院電子工学専攻博士課程修了、趣味は「物を修理すること」。役員は次の通り。
▼社長 武石誠司▼取締役会長 矢山英樹

