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九大燃料電池研究に調整費から17・5億円  グリーンアジア国際戦略総合特区    業務・産業向けの実用化を


 福岡県、福岡市、北九州市が推進するグリーンアジア国際戦略総合特区(事務局・福岡県)は8月19日、国の総合特区推進調整費から17億5000万円の予算を充てて、九州大学・次世代燃料電池産学連携研究センターで「スマート燃料電池社会実証」を実施する。
 総合特区制度の開始以降、国は特区支援に関わる予算(総合特区推進調整費)を年間100億円規模で確保していたが、活用事例は過去に一つしかなかった。グリーンアジア特区にとっては調整費活用は初、教育機関への支援でも第1号となる。調整費を活用して実施するのは、次世代燃料電池として九大が研究を進める「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」の実用化に向けた実証実験。従来の水素を燃料とする燃料電池では家庭向けの出力しか出せなかったが、セラミックスなどを用いるSOFCは発電効率が高く、業務用、産業用の燃料電池として期待がかけられている。実用化に向けては耐久性・信頼性の確保や低コスト化が課題とされており、17年の市場投入を目標に実証実験を進める。次世代燃料電池産学連携研究センターの地下1階全フロアを活用し、燃料電池の性能試験に関わる設備を導入する計画で、試験用としてFCV(燃料電池自動車)なども購入するという。
 県産業特区推進室の恒吉室長は「これまで本特区では、民間ベースの設備投資・雇用などでは多くの実績が出ていた一方、研究・開発の分野では乏しかったので、非常に大きな実績となった。国もFCVの市場投入を機に水素エネルギーの研究に本腰を入れており、タイミングが良かったと思う」と話している。