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主力の粉末冶金伸び悩み2期連赤字  日本タングステン    新社長に馬場取締役が内定


 金属の精製、加工を手掛ける日本タングステン株式会社(福岡市博多区美野島、吉田省三社長)の10年3月期連結決算は、売上高が前年比15・2%減の87億5百万円、経常損益は30億5百万円(前期は3億31百万円の赤字)の赤字だった。また、6月25日付で新社長に馬場信也取締役の就任が内定している。
 08年の売上高131億円をピークに2期連続の2ケタ減収。主力商品と関連が深い自動車、電子部品、デバイス産業が低調に推移したことで、主要事業の粉末冶金事業の売り上げが大きく落ち込んだ。損益面では、役員、従業員の報酬や給与カットなどで収益改善に取り組んだが、売り上げの減少を吸収できず2期連続の経常赤字。当期純損益も2億89百万円(前期は15億51百万円の赤字)の赤字だった。
 セグメント別に見ると、粉末冶金事業は海外向け電極製品の受注が低調だったことに加え、液晶関連部材、デジタルカメラ関連加工品の売り上げも大幅に減少。売上高は同14・0%減の82億79百万円。産業用機器事業は同25・0%減の4億14百万円、その他事業は同85・7%減の11百万円だった。
 今期の見通しは、下期から回復傾向が見えていることを追い風に、海外へ積極的に展開する方針。売上高は前年比35・6%増の118億円、経常利益は4億4千万円の黒字化を見込む。