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レドックスフロー電池用いた長洲蓄電所を建設へ 新出光
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週刊経済2025年4月23日発行号
経産省の系統用蓄電池補助金の対象事業に
石油製品販売大手の㈱新出光(福岡市博多区上呉服町、出光泰典社長兼グループCEO)は3月11日、熊本県玉名郡長洲町名石浜に、住友電気工業㈱のレドックスフロー電池(以下RF電池)を用いた長洲蓄電所を建設すると発表した。
これは再生可能エネルギーの安定供給を目指す一環として、電力系統安定化に貢献できる系統用蓄電池としてRF電池を採用したもの。経済産業省の令和6年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に、RF電池として初めて採択された。長洲蓄電所に設置するRF電池は、電池容量が8千kWh(2千kW×4時間)の設備。施工・保守はグループ会社の㈱新出光ファシリティーズが担う。来年11月の運用開始を目指し、運用開始後は市場取引(売電)を電源開発㈱(Jパワー)に委託する予定。
RF電池は長期運用時の劣化や発火による火災発生のリスクが低く長寿命なのが特長。また、使用する電解液はリユースが可能で、機器材料も適切な分別によってリサイクルが99%可能などエコフレンドリーなほか、セルや電解液の交換が不要なため、経済性に優れている。新出光では、今回の事業を系統用蓄電池事業への第一歩とし、再生可能エネルギーの安定供給を引き続き目指していく。