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ジストリーに資本性劣後ローンを融資 日本公庫福岡西支店


週刊経済2025年4月23日発行号

融資額は3千万円

㈱日本政策金融公庫福岡西支店(福岡市中央区舞鶴3丁目、山口繁紀支店長:以下、日本公庫)は、4月4日付で看護師向けダイレクトサービスを展開する㈱thestory(ジストリー:糸島市、河 京子社長)に「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)」による融資を実施した。融資額は3千万円。

これはベンチャーファンドを運営するベータ・ベンチャーキャピタル㈱(同市中央区大名2丁目、林龍平社長)との連携を背景に、同社からベンチャー支援の意向を受け応じたもの。ジストリーは2022年1月に設立。資本金3101万8845円、従業員数は11人。同社は看護師向けジョブマッチングサービス「ジストリー」を運営。看護師専門の転職サービスとしては初めてスカウトメールを活用し、看護師のこれまでの経歴や今後のキャリア希望を登録。医療機関が閲覧して直接スカウトできる仕組みを提供している。「22年7月に開始して以来、約2年半で登録看護師数は6500人、利用事業所数は3300カ所を超えている」ことから、看護師のキャリア支援を通じて医療サービスの向上を目指す同社の姿勢を評価した。融資額は3千万円。

日本公庫ではコロナ禍の影響を受けている事業者および事業再生に取り組む事業者を対象に、財務体質強化を図る目的で資金を供給する制度「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)」を適用。同制度適用による債務は金融検査上、自己資本とみなすことができるほか、他の債務と比べて劣後する(返済順位が低い)ため、民間金融機関からの新規融資促進につながるという。また、「元金は期限一括償還で、それまでの期間は毎月利息のみの返済であり、長期間安定した資金繰りを行うことができる」(日本公庫福岡西支店)と話している。