NEWS

  • 地域

「地元企業の参入拡大、研究開発の拠点化を目指す」  北部九州自動車150万台拠点推進会議    北九州市で08総会


 官民共同で自動車産業の振興を目指す北部九州自動車150万台生産拠点推進会議(会長・麻生渡福岡県知事)は、4月22日、北九州市小倉北区のリーガロイヤルホテル小倉で08年度の総会を開いた。
 当日は、会員企業や自治体関係者など700人が出席。総会では、麻生知事があいさつしたほか、顧問を務める日産九州工場の川瀬賢三理事・工場長、トヨタ九州の渡辺顕好社長、ダイハツ九州の東迫旦洋社長が現在の生産状況について報告した。
 会長を務める麻生知事は「日産、トヨタ、ダイハツ各社の完成車生産が軒並み増産傾向にあり、ラインの増強、部品メーカーの進出、あるいは研究開発拠点の進出が相次いだ」と昨年度の動きに触れ、「部品を中心に地元企業の参入拡大については、当初の目標である70%達成を目指し、より一層の支援を展開していく。また、システムLSIなどの車載半導体や水素エンジンなどの研究開発の拠点化を本格化させていく。県の枠を超え、九州全体で中国などアジア地域との競争を有利に展開していきたい」と意気込みを語った。
 また、日産自動車九州工場(京都郡苅田町)の川瀬賢三理事工場長は「07年度は一気に5車種の生産ラインを新たに立ち上げ、1分に1台の割合で車を生産している状況。現在、新型エクストレイルで71部品、英国サンダーランド工場から生産を移管したデュアリスで65部品を地元から調達している。中国からの輸送コストが1台あたり9000円に対し、地元調達では1台300円で済むなど、工場にとっては大きなメリット。やる気のある地元企業は積極的に参入を目指して努力してほしい」と地元企業との取引拡大に意欲を示した。 
 トヨタ自動車九州(宮若市)の渡辺顕好社長は「宮田工場第2ラインの稼働に続き、4月8日には苅田工場第2ラインが完成、2010年までにフル稼働を目指す。また、8月にはハイブリット部品のエンジン工場も稼働を始め、さらに車両開発機能を担当する新会社も10年度に本格的に動き出す。地元企業を含む協力企業の支援がなければ、九州でのモノづくりはできない。今まで以上に地元企業との連携を強化していきたい」と強調。さらにダイハツ九州(大分県中津市)の東迫旦洋社長は「ダイハツグループでは約4割の完成車を九州で生産している。昨年12月には中津第2工場が操業、8月には久留米エンジン工場が稼働する。開発拠点の整備と併せて、雇用や部品の調達では積極的な地元の協力をお願いしていきたい」と述べた。
 同会議は、06年8月、03年に発足した「北部九州自動車生産拠点推進会議」を発展的に改組して設立。2009年度を目標年次とし、(1)北部九州での域内生産台数年間150万台、(2)部品の地元調達率70%の達成、(3)アジア地域での最先端拠点づくり、(4)次世代のクルマ開発拠点づくりの4項目を目標に掲げ、産学連携での支援策を展開している。

 参入促進会でダイハツ系部品メーカー幹部が講演

 また、総会終了後、財団法人県中小企業振興センター(福岡市博多区吉塚本町、高木郁夫理事長)は、地元企業の部品関連の取引拡大を目指すため、参入促進会を開催した。参入促進会では、ダイハツ系部品メーカーで、朝倉市の平塚工業団地内(トステム工場跡地)に進出を決定している明石機械工業株式会社(兵庫県稲美町、藤川公一社長)の大河内宏取締役が、「1次部品メーカーからの期待」をテーマに講演、大河内取締役は「当社はダイハツ九州株式会社の増産に対応するため、朝倉市への進出を決めた。09年7月に工場を稼働させ、軽四輪車のトランスミッション部品を生産していく」と操業までのスケジュールを説明。「精密機械加工、精錬(れん)、樹脂成形・ゴムの分野で地元企業との取引を期待したい。現在、調達先を選定している段階であり、積極的なアプローチを期待している」と述べ、地元企業との取引拡大に意欲を見せた。
 さらに昨年度から実施している「自動車産業アドバイザー制度」を活用した地元企業の参入事例も紹介。有限会社井上興産(豊前市)の井上郁夫社長、株式会社皿山技研(筑紫郡那珂川町)の遠藤義仁取締役工場長、有限会社沖本縫製(田川郡川崎町)の沖本雄紀常務の3人が、制度を活用した参入事例を発表した。