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ふくおか経済EX 2021

(株)玉屋


地域貢献と人財教育を軸に「さすが玉屋」を目指す

(写真)再開発中の玉屋宗像店を中核とした複合施設「トリアーダ宗像」(宗像市光岡)の完成予想図。テナントのリニューアルの他、太陽光発電設備や40tの受水槽、更にはマンホールトイレを備え、災害時の避難所としても機能していく。グランドオープンは2022年初夏を予定

福岡・佐賀でパチンコ店を16店舗展開する玉屋。新型コロナウイルスの影響は看過出来ないが、組織強化に向けた新教育制度導入や、宗像店に隣接するトリアーダ宗像の大規模な再開発に着手するなど、ニューノーマル時代に勝ち残る企業となるための挑戦は続く。

最速で店長を目指すキャリア アッププラン始動

コロナ禍によるパチンコ業界の稼動回復率は全国平均で約75%、それは玉屋も例外ではない。2020年4月に施行された改正健康増進法は、飲食店などに限らずパチンコ店にも全面禁煙が求められた。これをピンチではなく、新規顧客創出のチャンスと捉え数々の取り組みを始めた直後に休業要請が発令された。しかし、設置済の飛沫防止シールドや、ホール内の換気システムが他商業施設と比べて優れているなど、従来から分煙対策を講じていた玉屋のwithコロナへの移行は比較的スムーズだったと言える。
その中で迎えた2021年の経営計画「SASUGA玉屋アクションプラン」には目指す姿として、「新たな当たり前に適応した、しなやかで強い戦闘集団」と掲げられている。営業・人・企業ブランディングと目標達成のための戦術は多岐に渡り、従来以上の部署毎の団結と連携を求める。その経営計画の中で特筆すべきが「キャリアアッププラン」だ。これは2021年以降入社の新入社員を対象とした新制度で、同プラン参加者の入社5年目での店長昇進を目指す。玉屋では以前より、社員の実力と意志に応じたキャリア形成が1年に2回実施される職位別の昇進試験を通じて誰でも可能であった。しかし本プランは大学や専門学校を卒業した新卒もしくは第二新卒に参加資格者を限定し、パチンコ店の店長を務めるに十分な知識と技術習得のため、従来の業務に加えて本プラン専用の研修や課題、複数店舗での勤務実習を課す。そのため、パチンコの遊技経験がなくても一切の心配が不要だ。同社ではこれまで、入社から店長就任まで10年以上要していたが、本プラン導入で若手社員の早期育成を図り、勝ち残るための組織体制を強化する。

(写真)パチンコ業界で必要な法令や計数管理の研修を定期的に実施する

「さすが玉屋」と言われる企業を目指して

企業理念の一つに「地域への貢献、地域との共生」を掲げる玉屋は人財以外の強化にも注力する。玉屋宗像店(宗像市)が隣接する商業施設「トリアーダ宗像」の再開発に2020年から着手しているが、その中身は大型テナントの誘致や既存テナントのリニューアルに留まらない。テナント屋上の太陽光発電設備や40tの受水槽、更にはマンホールトイレを備え、災害時に避難所として機能すべく、宗像市と協定を締結予定だ。また今後、天神ビッグバンや春吉橋工事完了後の賑わい空間創出に合わせ、玉屋本店(福岡市中央区)のランドマーク化プロジェクトにも着手する。
最後に、玉屋はコロナ禍の今だからこそ地域貢献活動に精力的に取り組む。一例だが、毎年2回実施していた献血活動を、慢性的な血液不足という状況を鑑み2020年は3回実施。これに関して、献血功労者として17年に続き福岡県知事から表彰されている。また、海洋プラスチックごみ問題に起因するレジ袋の有料化の際には、いち早くお客様が景品交換時に利用されるレジ袋をバイオマス製のものへと変更した。営業・人・企業ブランディングの全てに全力で取り組む玉屋は、不確実な時代の中で今後も確実な成長を積み重ねていく。

(写真)2020年は店舗を活用して年3回の献血を実施。
献血功労者として県から表彰されている

 

【DATA】
所在地/〒810-0003 福岡市中央区春吉3-12-1
TEL/092-718-3330
FAX/092-718-3332
創  業/1953年8月
設  立/1991年2月
資本金/3,000万円
事業内容/パチンコ店の経営
年  商/305億円(21年12月期)
従業員/500人
店舗数/福岡、佐賀県内に16店舗
URL/https://www.tamaya.gr.jp

採用情報
募集職種/店舗運営スタッフ
応募資格/大学卒業見込者、大学既卒(卒業3年以内)、専門、高校卒
問合せ先/092-718-3330
担  当/採用課 藤山
詳しい採用情報はHP上の採用情報をご覧ください

(ふくおか経済EX2021年)