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ふくおか経済EX 2020

(株)全教研


プログラミング通じた海外展開で世界に通用する人材育成を

(下写真)マレーシアにSTEAM教育専用施設「キッズテックセンター」を開業。当時のマハティール首相も招かれ子供たちとのワークショップを熱心に見学した

マレーシアにプログラミングなどを学べる教育施設を開業した。STEAM教育が世界のスタンダードになる中、教育を通じた交流拠点と位置付け、グローバルに活躍できる人材の育成につなげる。4月からは新講座も加わり、教育新時代への対応をきめ細かに、かつスピード感を持って進めていく。

マレーシアに教育施設、国際交流の拠点に

2019年12月、マレーシアのIT特区であるサイバージャヤ地区に、全教研のSTEAM教育(※)を学習できる教育施設「キッズテックセンター」がオープンした。全教研(中垣量文社長)と、グループで教育コンテンツ開発業のインフィニットマインド(同社長)、それにマレーシアの有力IT企業ドリームエッジ社(カイリル・アドリCEO)が共同で開設したもので、同国の前首相のマハティール氏もプロジェクトの実現を後押しした一人だ。
STEAM教育がグローバルスタンダードとなる中、全教研は2015年にインフィニットマインドが開発したプログラミング教育専門講座「プログラミング道場」を開講した。その後、同講座を視察し関心を抱いたマハティール氏の仲介でドリームエッジ社がライセンスを取得。16年から全教研監修のもとマレーシアで同講座がスタートしている。現在は、ベトナム、タイ、インド、中国で、各国の提携業者によって着実に普及している「プログラミング道場」。これらの実績を高く評価した同氏が、多くの子供たちがSTEAM教育を学べる場所として、施設の実現に道筋をつけたのである。中垣社長は「東南アジアを中心としたプログラミング教育のさらなる浸透はもちろん、将来的には日本をはじめ、同講座の受講者が集い国際交流を図るハブ拠点として機能していければ」と意気込みを語る。
その一方で、学校教育の必須化に伴い、日本国内での「プログラミング道場」の需要も堅調だ。直営塾にとどまらず、今では他社の進学塾やパソコンスクールにパッケージ版を提供しており、導入教室は全国で約100カ所を数える。2017年からはこれまで培った国内外のネットワークを生かし、プログラミング技術を競うロボット競技会を年1回開催。グローバル人材の育成に向けた子供たちの貴重な交流の場となっている。

(写真左)2019年6月、福岡市東区の照葉地区に開校した「個別学習 Neo」
(右)4月に新築移転した全教研西新教室(パース)

学びの基礎を身に付ける新コース「みらい」開講

4月からは小学生を対象とした新たなコース「みらい」が加わった。同講座の小学生低学年(小1~2)の「みらいジュニア」では、会話や読み書き、計算などの基礎となる「ワーキングメモリ(作業記憶)」を鍛えるための「脳力道場」を導入し学習を支える能力を高める。また、数の概念や図形のセンスを育成する「パズル道場」を活用して算数の力を伸ばす土台を作るとともに、家庭学習用教材の活用で生徒たちが学習する習慣を身に付けることに重点を置いている。小学3年以降は中学受験の講座と高校受験を見据えた「みらいネクスト」(小3~4)、「みらいアドバンス」(小5~6)へと進んでいく。
また高校生向けについても、推薦など多様化する入試形態への対応を強化していくほか、提携するatama+」(アタマプラス)のAI学習システムを提供するなど大学受験に向けた講座の充実を図っている。
ホームページ上で講師陣からのメッセージ動画を配信するブランドムービーサイト「いい先生に出会えます」が好評だ。アットホームで面倒見の良さと指導力を強みに、長年多くの支持を集めてきた全教研。ICTやAIを活用した先端技術の教育教材を駆使しつつも、これからも生徒や保護者に寄り添った教育サービスの提供で、選ばれ続ける学習塾を目指す。
※STEAM教育とはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics (数学)の5つの領域を重視した教育方針のこと)

中垣 量文 社長

 

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(ふくおか経済EX2020年)