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ふくおか経済EX 2020

(株)チヨダ


総合力とサービス力で企業ユニフォーム市場をリード

2021年に創業60周年を迎える企業ユニフォームのトップディーラーは、業界の大半が零細企業で占められる中、長年の実績で培った営業力と規模で市場をリード。近年は加工、管理、クリーニングなどをワンストップで提供するレンタルが好調で、多彩な納入サービス、それに徹底した顧客フォローで着実にシェアを伸ばしている。

拡大するユニフォームの管理業務

心に伸びているレンタルサービス。豊富な取扱商品はもちろん、クリーニングの集配、刺繍や補正などの加工、そして期間保管機能までの全てを内製化。年商2〜5億円の中小零細企業が大半を占めるユニフォーム業界において、このワンストップサービスの実現は、企業規模、サービス力において他社が追随できない強みとなっており、納入先から高い評価を得ている。
特に受注状況などがシステム化された管理体制は、ニーズに応じたフレキシブル、かつ迅速な納入を実現。顧客もユニフォームの管理業務の煩雑さから解消され、さらに転売や二次利用などのリスクも回避できるとあって、最近は管理業務のみを依頼するケースも増加。「多くの場合、納入業者の付帯業務として無償で提供されている管理業務。当社は有償で請け負っている以上、利便性とセキュリティの両面から責任を持って大切に管理させていただいている」と胸を張る山口社長。結果的にそのクオリティーに触れた顧客が、同社が扱うユニフォームの導入やメンテナンス、加工といった新たな需要を生み出すきっかけになっていることは想像に難くない。
2019年春には、飯塚、北九州の専用クローゼットも拡張するなど保管機能を増強した。今後も拡大が見込まれる管理業務のアウトソーシング業務に万全な体制で対応していく構えだ。

本社スタッフ。中央左が山口剛弘常務と右が山口進社長

オーダー白衣で新需要開拓へ

ユニフォームのラインナップは時代とともに大きく進化している。近年は防寒・防暑に優れた空調服、さらに身体的な負担を軽減するアシストスーツなど、機能性の高い商材が数多く登場している。
これらの商品の取り扱いの充実と同時に、多様化するニーズへの対応に向け今後本格的に取り組もうとしているのがオーダーメード受注だ。特に着目しているのが医療機関向け白衣。当面は院長や医師が着用する白衣に特化し、既製品では難しかったフィット感や好みのシルエットに応じた白衣を提供していくことで、新たな需要を掘り起こす。「ゆくゆくはオーダー白衣専用の店舗を出店したい」と意気込む山口剛弘常務。メーカーやオーダースーツ店とのコラボ展開も含め、今後は事業化に向けた幅広い可能性を探りながら、新たな付加価値サービスの創造につなげていく。

南警察署そばにある本社

成長戦略に生かす強固な営業基盤

近年は業種毎に専属担当者を置き、重要顧客に対しては専任担当者によるきめ細かなフォロー体制を敷くなど営業組織の専門性を高めることで、新規開拓と顧客との良好な関係の維持につなげている。また社内システムの構築による業務効率化、拠点機能の充実によるブランディングにも力を入れ営業力を強化している。「今後の成長戦略に向け、ハード、ソフト両面のプラットフォームは整った」と語る山口社長。就労人口の減少や業務の自動化などユニフォーム業界を取り巻く環境は厳しくなると予想される中、ユニフォーム総合商社として九州ナンバーワンの規模と総合力で培った実績と信頼を強みにさらなる高みを目指す。

(ふくおか経済EX2020年)