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ふくおか経済EX 2020

(株)シノケングループ


国内外でリート事業に着手REaaSの展開も積極推進

(写真)東京23区限定で展開する都市型ロフト付コンパクトタイプ木造アパートメント「AVAND」(アヴァンド)シリーズ

シノケングループは、近く日本国内とインドネシアでリート事業に着手、不動産投資事業の拡大を図っていく。また、その促進を図るため「REaaS(不動産のサービス化)」を掲げて不動産テック関連事業を強化、不動産投資チャネルの多様化やIoT仕様のアパートメント、マンションの開発などにも力を入れる。

増収増益目指し好スタート

シノケングループ(以下シノケン)の2019年12月期決算は、アパートメント販売の減少で10期ぶりの減収、2期連続の減益となったが、当初事業計画の数値は売上、利益ともに上回った。篠原英明社長は「アパートメントの販売が想定ほどには落ち込まず、加えてマンションの販売努力が奏功した結果」と振り返る。増収増益を目指す今期は「アパートメント販売も前年を上回るペース」で好調なスタートを切っている。

今夏めどに私募リートを組成

一昨年から準備を進めてきた私募リートの組成は、夏に予定している。投資運用の子会社、㈱シノケンアセットマネジメントは年初、リートの運営に必要な金融商品取引法に基づく投資運用業の登録を完了、近々「シノケンリート投資法人(仮称)」を設立、主に東京23区内の賃貸住宅不動産を投資対象とした100億円規模の私募リートを組成する計画だ。
その後、私募リートでの運用実績を上げながら資産規模を300億円程度まで拡大させ、市場動向を見極めつつ東京証券取引所への上場を目指していく。
また5年前から事業展開しているインドネシアでもリート事業をスタートする。昨年7月に現地の子会社、インドネシアの子会社、シノケンアセットマネジメントインドネシア(PT. Shinoken Asset Management Indonesia)が現地でライセンスを取得し、近く自社開発のサービスアパートメントで入居率100%の「桜テラス」第1号物件を組み入れてリートを組成、第2号物件以降の準備も進めている。その後も、同国内の収益性の高い不動産物件を組み入れ、同国内だけでなく日本を含めた海外投資家に販売していくという。
さらに同国内では昨年11月、ヌディワルヨ大学と提携。介護人材の育成を進める。学内に日本語研修センターを開設し、看護・医学系の学生を中心に日本語能力を習得させるとともに介護のカリキュラムも加えて人材を養成、新たな在留資格の特定技能1号制度を活用して、今年秋頃を目指し、日本国内で同社が保有する介護施設での就労を予定している。また今後は継続的に介護人材の確保が見込めるため、同社の介護施設だけでなく、他社の介護事業施設への紹介も検討している。

不動産テック事業を本格始動

またシノケンは今期から、不動産分野でテクノロジーを活用する不動産テック関連事業を本格的にスタートした。
これまで同社と各事業会社で進めてきた不動産テックに関わる新商品・サービスの企画・開発を子会社の㈱シノケンインテリジェントテクノロジーに集約して、先進テクノロジーの活用によるシナジー効果創出とシノケンの企業価値向上を目指す。
シノケンでは「REaaS(リアーズ)=Real Estate as a Service(不動産のサービス化)」を提唱しており、その第1弾として、賃貸経営をサポートするオーナー向けスマートフォンアプリ「Shinokenコンシェルジュ」を開発。今後も各種アプリ開発のほか、IoT仕様物件の企画・サービス開発、同社が提供する不動産ファンドへの投資チャネルの多様化などを進める。篠原社長は「不動産テックを駆使したREaaSの展開を国内外で進めていきたい」と語る。
また同社はSDGsへの賛同も打ち出している。多岐にわたる事業の中でSDGsの17目標のうち9目標に合致する活動を掲げるとともに、CSRの観点からも、木造アパートメントに関連してCO₂排出削減に貢献するため、熱帯雨林のあるインドネシアでの植林活動も想定している。

採用情報
募集職種/営業、施工管理、介護、事務他
応募資格/2021年卒
採用実績/2020年度34人
採用予定/60人前後
インターンシップ/要問合せ
年間休日/115日
問合せ先/TEL.03-5777-0089(東京)
担  当/【東京サービスサポート部】上田(うえだ)

(ふくおか経済EX2020年)