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ふくおか経済EX 2020

(株)アイケンジャパン


「堅実なアパート経営」でアパート業界に新風吹き込む

創業から13年、全国主要都市9カ所に販売網を拡大し、物件力・管理力・継続力を強みに「堅実なアパート経営」を提案してきた。現在の通算販売棟数は800棟超えを誇る。今夏には台湾オフィスを開設予定で、海外進出に乗り出す。戦略的な事業展開を継続し、社員一丸となってさらなる存在価値の向上を目指す。

2019年の自社企画開発物件平均入居率は99.6%

昨年6月に熊本支店を開設、販売網は全国9拠点となり、年々展開を加速している同社。投資用木造2階建てアパート「グランティック」(1LDK)シリーズを中心に、「レガリスト」(木造3階建て、1LDK)、など多彩なラインナップで、販売実績800棟超えを誇る。オートロック、浴室テレビ、浴室乾燥機。これらはすべて同社が手掛けるアパートの標準設備だ。従来のイメージを覆す防音設計と耐震強化、セキュリティ、外装や内装のデザイン、水回りの使い勝手の良さなど徹底的にこだわり抜く。入居者目線でニーズに寄ったアパート作りで差別化を図っている。昨年10月からは、九州電力㈱の女性消防設備士による消防点検サービス「テクニコ」の事業検証協力も開始。入居者のターゲットである社会人女性の需要に応えていく。
2019年の自社企画開発物件の賃貸管理戸数(12月末時点、5,179戸)における年間の平均入居率は99.6%で前年比0・3%上回った。また、同社では「収益稼働率」という収益性を測る独自の指標を採用。新築時の家賃設定で年間完全満室状態とした場合を100%とし、経年と共にどれだけ実際の家賃収入が減っていくのかを集計したものだ。この平均も98.0%(自社企画開発物件、19年12月末時点)で前年比0・4%増となり、高水準を維持している。

今夏めどに台湾オフィス開設へ

不動産投資に対する金融機関の融資姿勢の厳格化が進み、業界は苦しい状況下にある。そのような中でも、顧客との相互理解をさらに深めるため、昨年は全国各地で開催しているセミナーに力を入れた。中島厚己社長は「自らが講師を務める機会を増やし、年間108回と目標達成することができた。新型コロナウイルスの影響も出つつある中、販売は昨年と同水準で推移している」と語る。
一方で、今夏をめどに台湾オフィスを開設し、海外進出に乗り出す。地場大手賃貸管理・仲介の㈱三好不動産と業務提携し、現地の投資家へ販売していく計画という。さらなる存在価値の向上を目指し、業界に変化をもたらす先駆者になるべく、社員一丸となって取り組む。

社内のIT化で働き方改革推進

一般的にアパート販売業者は土地仕入と販売で担当が分かれているが、同社の営業は1人で両方を手掛ける。「顧客はその土地を欲しいと思うだろうか、自分ならば欲しいと思えるかを考え抜く。自らが販売する土地を仕入れるため、おのずと熱意を持って業務にあたることができ、質の良さにもつながっている」と言い切る中島社長。実際に社員も13人(全体の9.3%)が自社商品を所有しており、この姿勢で取り組むからこその数値と言えよう。
また、休暇制度や家族を同伴した年1回の社員旅行、隔年のソフトボール大会&バーベキュー、忘年会など家庭を大切にできる環境作りに努めてきた。顧客管理や営業支援システムの導入といった社内のIT化にも着手し、業務効率化や働き方改革も進めている。「当社に係わるすべての人と感謝信頼し合える、アットホーム企業であり続ける」。この経営指針は今後も揺らぐことはない。

中島 厚己 社長
なかしま・あつみ/大分県日田市出身。1965年7月23日生まれの54歳。九州電子計算機専門学校福岡校卒。不動産賃貸仲介会社、アパート販売会社などを経て、2006年㈱アイケンホームを設立、14年に㈱アイケンジャパンへ社名変更した。趣味はドライブ、ゴルフ

 

採用情報
募集職種/不動産管理(PM)職、営業職、工務職
応募資格/短大、大学、大学院2021年卒業見込み、または卒業後3年未満(全学部全学科)
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担当/三宿

(ふくおか経済EX2020年)