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TheFace2006

第一交通産業


田中 亮一郎

第一交通産業㈱ 社長

たなか・りょういちろう/東京都出身、1959年4月4日生まれの47歳、青山学院大学経済学部卒。82年4月全国朝日放送に入社。85年7月第一交通産業㈱非常勤取締役に。95年5月副社長を経て、97年2月から代表取締役副社長。2001年2月社長。趣味はゴルフと中学時代から続けているテニス
(写真)9月1日の琉球バス交通の出発式で現地スタッフと撮影(後列中央が田中社長)

バス事業に医療機関を加え地域密着のグループ力を強化

9月1日から、琉球バスの運行を開始した第一交通産業グループ。沖縄でのバス事業は04年7月の那覇バスに続いて2社目だが、今回の琉球バスは沖縄最大の規模を持つ。バス車両台数は乗合部門で285台、貸切部門で109台。従業員は約700人を抱え、乗合部門の営業路線数は67路線に及ぶ。那覇バスを合わせると沖縄のバス路線の6〜7割を占め、公共交通機関としての使命はより重くなった。田中社長は「県民の足を守ることが一番重要で、そのために安定的な経営を続ける必要がある。那覇バスとの相乗効果も期待できるので、1年後には何とか黒字化したい」と抱負を述べる。
一方、神奈川県鎌倉市では医療法人・湘和会を傘下に収め、初の医療分野に進出する。湘和会は湘南記念病院を核に4つのクリニックを持ち、在宅診療専門の医療機関として地域医療に欠かせない存在となっている。 バス事業では地元密着のため、那覇バスから続けているモニター会議を月1回の割合で開催。主婦やサラリーマンなどを含め各界から意見を聞き、地域と一体で取り組む。また、地域の声に応えて、7月にはコミュニティ循環バスの運行も始めた。「分野が違っても、地元密着が当社の基本。実は、タクシーが目指す形もそこにある」と同社長。交通事業を核に地域に密着した展開でエクセレントカンパニーを目指す同グループに、また大きな仲間が加わった。

DATA
所在地/北九州市小倉北区馬借2-6-8
TEL/093-511-8811
創業/1960年6月
設立/1964年9月
資本金/20億2,040万円
事業内容/タクシー事業、バス事業、不動産販売・賃貸、通信販売事業ほか
グループ従業員数/約11,730人(臨時従業員数含む)
年商/約799億円(06年3月期連結)
関連会社/㈱第一ゼネラルサービス、㈱ミュンヘンオートなど110社

http://www.daiichi-koutsu.co.jp

(ふくおか経済2006年11月号FACE)