FEATURE

ふくおか経済EX 2018

福岡県信用保証協会


経営の安定と繁栄を支援、中小企業のベストパートナー

今年4月から新しい信用保証制度がスタートした。中小企業のより円滑な資金繰りをサポートすべく、「危機関連保証」の創設や保証限度額の拡充など、さまざまな取り組みを進めていく。中小企業のベストパートナーとして、「信用保証」により経営の安定と繁栄を支援し、地域経済の発展に尽くす。

企業訪問の内容・質の深化でさらに“寄り添う”経営支援

中小企業者が金融機関から事業資金の貸付などを受ける際に「公的な保証人」となり、金融の円滑化を図ることを目的として設立された信用保証協会。「信用保証協会法」に基づく認可法人として、1937年に発足した東京信用保証協会を皮切りに全国で協会設立が広がり、現在では51カ所に拡大。福岡は1949年3月に設立され、県内企業14万3,000社のうち利用企業者数が約6万社と4割を超える。
信用保証協会には中小企業者のサポート機関、行政の政策実施機関、金融機関という3つの役割がある。昨年7月に発生した九州北部豪雨においては、福岡県と連携し、被災した中小企業者のために緊急経済対策資金(特別枠)を創設。また、被災中小企業者を訪問し、オリジナルタオルを配布するなど、中小企業者のサポート機関、行政の政策実施機関として、いち早く災害対策に乗り出した。
同協会では、中小企業に寄り添った経営支援の強化を目指し、2015年から企業訪問を推進している。初年度は約7,000件、16年度は約8,000件の訪問を実施。17年度以降は訪問件数に満足せず、「保証協会は中小企業に寄り添ってくれている」と利用者に実感してもらうべく、その内容・質の深化を優先している。

九州北部税理士会、福岡県弁護士会、日本政策金融公庫と同協会の4機関合同で初開催した「創業応援セミナー」

外部支援機関との連携を拡充

近年、中小企業の経営課題は複雑・高度化しており、同協会だけでは対応できないケースも多く、各種専門機関との連携を拡充してきた。特に需要が増えている事業承継の分野では、福岡県事業引継ぎ支援センター(16年に業務連携、全国初)と協力し、企業存続による雇用確保や地域創生につなげている。昨年9月には福岡県弁護士会と覚書を締結。中小企業者の法的な課題等について連携したサポートを目指す。
18年度も、金融機関はもとより、商工関係団体や各種支援機関、さらには、行政と連携を図り、中小企業の振興・発展を通して地域貢献に努めていく。

法改正により経営支援」をより一層強化

昨年6月に改正された信用保証協会法が、今年4月から施行された。今回の法改正で、「中小企業に対する経営支援」が業務に追加される。信用保証協会と金融機関との連携により、中小企業・小規模事業者の経営の改善・発達の支援強化を図ることが目的である。
そのほか、中小企業・小規模事業者の多様な資金需要に一層きめ細かく対応するため、大規模な経済危機や災害等に対応する「危機関連保証」の創設、創業者・小規模事業者向けの保証制度および事業承継に係る保証制度の拡充がなされる等、保証協会が地域金融に果たす役割も大きくなっていく。
中小企業のベストパートナーとして、「信用保証」により経営の安定と繁栄を支援し、地域経済の発展に尽くす福岡県信用保証協会。「一歩踏み込んだ支援」で存在意義を示し、さらなる飛躍を目指す。

事業承継セミナーも開催

 

【DATA】
所在地/〒812-8555 福岡市博多区博多駅南2-2-1
TEL/092-415-2611
FAX/092-415-2620
設立/1949年3月
基本財産/616億4,000万円
保証債務残高/8,390億5,600万円(17年3月末現在)
事業内容/信用保証業務、経営支援、再生支援
代表者/山㟢建典
職員/181人
出先/大濠支所、北九州支所、久留米支所、筑豊支所、大牟田支所
関連会社/保証協会債権回収㈱福岡営業所、 保証協会システムセンター㈱
URL/http://www.fukuoka-cgc.or.jp/

(ふくおか経済EX2018年)