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ふくおか経済EX 2015

正晃㈱


営業体制の強化とエリア充実でグループ1000億円目指す

九州・山口の全県と首都圏、関西に営業ネットワークを配し、「医療・科学の総合商社」として地域医療、学術研究の発展に大きく貢献する日本最大の総合試薬ディーラー・正晃㈱。営業体制の強化とエリア充実で次なる目標達成を目指す。

関西エリアでも本格展開へ

昨年度、単体売上高650億円、グループ750億円を目指す新たな中期5カ年経営計画がスタートした。前回の5カ年計画は、組織的な営業戦略と積極的なエリア戦略が奏功し、2年前倒しの3年目で目標を達成…。九州・山口の全県と成長著しい首都圏、海外では中国・上海に営業ネットワークを配し、主力の基礎研究用試薬、体外診断用医薬品、理化学機器、医療用機器などを販売する日本最大の総合試薬ディーラー・正晃㈱。「医療・科学の総合商社」として地域医療、学術研究の発展に大きく貢献する。
近年、正晃では営業体制の強化が進む。営業本部内に「インダストリー営業部」と「アカデミア営業部」の2部門を設置。企業の基礎研究部門や大学の学術研究室向けの専門スタッフが、取扱商品やエリア、組織の垣根を越えた営業戦略を推進し、新たな視点で市場を創出する。
また、これら営業面の強化とともにエリア戦略の積極展開も見逃せない。地元の基盤エリアの充実に加え、10年を経た首都圏エリアでも東京支店を核に着実にシェアを拡大、大きな柱へと成長した。さらに、今年は関西エリアの充実も本格化する。これまで関西エリアは関連会社の㈱バイオテック・ラボの大阪営業所のみの展開だったが、今回、地場の同業種ディーラーをM&Aして近畿圏の拠点づくりに着手し、主力事業である医療、学術研究分野での営業を本格化していく。
さらに、海外展開については現在、中国・上海に営業ネットワークを配し日系進出企業を中心に基礎研究用試薬、理化学機器などを販売しているが、今後は東南アジアなどでの動きも活発化させたい構想だ。

新5カ年計画の達成さらにはグループ1000億円を目指す

企業成長のカギを握るのが人材だ。創業時から脈々と受け継がれる「誠・正・精」の基本精神のもと、顧客とのコミュニケーションと信頼を大切にする〝ヒューマンカンパニー〟ゆえに「人材の確保と育成」には特に力を注いでいる。医療用試薬、研究および工業用薬品など取扱品目が多岐にわたり、加えて医療用機器は日々刻々と進化を続ける。そしてこの変化に対応し、専門的な知識を備えたプロフェッショナルが正晃を支える。
ただ、管理機能の強化をはじめとする内部体制の充実、社員教育の充実や若手有望株の幹部登用など、取り組むべき課題も多いという。印正哉社長は「これまでも社員一人ひとりの頑張りが大きかった。そして、新しい目標達成に向けてのポイントは、やはり「人」。これまで一貫して進めてきた「人」に対する先行投資を今後も強化していく」と人材の重要性を説く。実際、労務管理面では総務・管理部門の拡充とともに「安全衛生委員会」を設け、産業医のアドバイスの下、社員の健康管理や精神面でのサポートに取り組んでいる。
医療、学術研究の両業界ともに、その重要性と必要性を深く認識し、前向きな努力が続けられている中、構造的にはまだ厳しい状況にあるという。印社長は「まさに『ピンチはチャンス』。このような時こそ知恵を絞り、われわれ自身が付加価値を身に付けていくことが重要。そして何としても勝ち組になって、新5カ年計画の達成はもちろん、次なる目標である正晃グループ1000億円を目指したい」と次なるステージを見据える。

印 正哉 社長
いん・まさや/福岡市出身、1954(昭和29)年2月23日生まれの61歳。福岡大学商学部卒。趣味は車、カメラ、旅行

 

企業DATA
所在地 〒813-0062 福岡市東区松島3-34-33
TEL 092-621-8199㈹
FAX 092-611-4415
創業 1950年9月
設立 1955年3月
資本金 5,000万円
事業内容 基礎研究試薬、体外診断用医薬品、化学工業薬品、理化学機器、医療用機器等の販売、コンピュータおよび関連ソフトウェアの開発・販売
年商 532億円(2014年3月期)
従業員 約470人
URL http://www.seikonet.co.jp

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(ふくおか経済EX2015年)