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ふくおか経済EX 2014

正晃㈱


単体売上650億円を目指す新中期経営計画スタート

(写真)上:正晃本社(福岡市東区松島3丁目)。下:2013年の社員総決起大会の様子

九州・山口の全県と首都圏、関西に営業ネットワークを配し、「医療・科学の総合商社」として地域医療、学術研究の発展に大きく貢献する日本最大の総合試薬ディーラー・正晃㈱。今期からは次なる目標単体売上650億円に向けて新たな中期経営計画がスタートした。

2年前倒しで目標達成

中期5カ年経営計画の目標だった単体売上高500億円を2年前倒しの3年目で達成。2014年度からは目標も新たに、次なる中期5カ年経営計画をスタートし、単体売上650億円、グループ750億円を目指す。予想以上のスピードでの目標クリアについて印正哉社長は「社員一人ひとりの頑張りが大きい。これといった大型案件や特需がない中、社員と組織が効率的に動くことができた。チームワークの良さが好結果につながった」と振り返る。まさに、創業時から脈々と受け継がれる「誠・正・精」の基本精神のもと、顧客とのコミュニケーションと信頼を大切にする〝ヒューマンカンパニー〟の面目躍如といったところだ。

取扱品目は数万アイテムに及ぶ

首都圏エリアの展開が加速

正晃は1950(昭和25)年9月、特需景気にわく博多の地・福岡市箱崎昭和町において小さな薬品問屋「正晃化学薬品商会」として創業した。今日では、主力の基礎研究用試薬、臨床検査薬、理化学機器、医療用機器に加え、医療および研究分野向けに専門特化したソフトウェア分野では独自の製品開発を進め、日本最大の総合試薬ディーラーとして国内のみならず海外でも高い評価と注目を集めている。
正晃の成長のカギを握るのが人材だ。医療用試薬、研究および工業用薬品など取扱品目は多岐にわたり、加えて医療用機器は日々刻々と進化を続ける。そして、この変化に対応し、専門的な知識を備えたプロフェッショナルが正晃を支える。
さらに、エリア戦略の充実も大きなポイントとなる。進出から10年を経た首都圏エリアでは東京支店を拠点に着実にシェアを拡大している。2009年には東京都の理化学機器販売・㈱バイオテック・ラボとその子会社の㈱スクラムをM&A。東京支店との協力体制の確立により新たな事業領域の拡大や新規顧客の開拓を図った。加えてバイオテック・ラボが横浜市に営業所を開設、首都圏でのグループ展開がますます加速する。

「企業力」を分析、再編成し次なる目標にチャレンジ

既存事業の伸長、エリア戦略の拡充とともに企業基盤の整備も着々と進む。昨年、営業本部内に「インダストリー営業部」と「アカデミア営業部」の2部門を新設。企業の基礎研究部門や大学の学術研究室向けの専門スタッフが、取扱商品やエリア、組織の垣根を越えた営業戦略を推進し、新たな視点で市場創出に力を入れる。また、労務管理面では総務・管理部門の拡充とともに「安全衛生委員会」を新設。産業医のアドバイスの下、社員の健康管理や精神面でのサポートに取り組む。
一方で、関東を軸としたエリアの充実、高付加価値の提案型営業を中心とした営業力の強化、物流システムの再構築、管理機能の強化をはじめとする内部体制の充実、社員教育の充実や外部人材の導入など、取り組むべき課題は多いという。印社長は「キーワードは『脱皮』。今後、より大きく成長するためには、従来の漠然としたやり方では限界がある。組織、人材、営業力など『企業力』を科学的に分析、再編成し、次なる目標にチャレンジする」と力強く語る。

印 正哉 社長
いん・まさや/福岡市出身、1954(昭和29)年2月23日生まれの60歳。福岡大学商学部卒。趣味は車、カメラ、旅行

 

企業DATA
所在地 〒813-0062 福岡市東区松島3-34-33
TEL 092-621-8199㈹
FAX 092-611-4415
URL http://www.seikonet.co.jp
創業 1950年9月
設立 1955年3月
資本金 5,000万円
事業内容 基礎研究試薬、体外診断用医薬品、化学工業薬品、理化学機器、医療用機器等の販売、コンピュータおよび関連ソフトウェアの開発・販売
年商 510億円(2014年3月期予想)
従業員 約480人

採用情報
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(ふくおか経済EX2014年)