FEATURE

ふくおか経済EX 2014

日本政策金融公庫 福岡創業支援センター


連携強化で、創業支援ネットワークの領域を拡充

創業支援サービスのワンストップ化を目指す

政策系金融機関である日本政策金融公庫(以下「日本公庫」)国民生活事業が2005年に設置した「福岡創業支援センター(以下「福岡センター」)では、創業支援のキーステーションとして、各種融資制度の案内やセミナー開催、創業相談の対応にとどまらず、地域社会における創業支援のネットワークづくりや、地元マスコミを通じた広報活動などに取り組んでいる。近年では特に、他の創業支援機関との連携体制の構築に注力。自治体などの創業支援機関、各種業界団体に加え、地方銀行や信用金庫など民間金融機関との連携強化を積極的に進めており、部分的な「点」ではなく「面」での総合的な創業支援を目指している。
13年9月には、福岡市、フクオカベンチャーマーケット協会、福岡商工会議所、独立行政法人中小企業基盤整備機構九州本部の4機関と連携した「スタートアップ応援ネットワークFUKUOKA」を立ち上げた。これは、スタートアップ期の企業をワンストップで多角的にサポートする公的組織で、各構成機関が持つ機能や支援サービスの特性、顧客である企業の情報共有をすることで、適切な相談機関への企業の取り次ぎや、企業同士のマッチングの促進などシナジー効果を発揮する。同ネットワークでは今後、合同相談会や各種セミナーの開催も予定しており、「どこでなにを相談していいか分からない」と悩む創業難民の受け皿となっていくだろう。
また福岡センターでは、女性起業家支援にも着眼。10年から福岡県男女共同参画センター「あすばる」(福岡県春日市)、福岡県中小企家同友会と毎年「女性起業家支援セミナー」共催。創業間もない女性や、創業予定の女性が主な対象者で、毎回100人前後の受講生を集めており、このセミナーをきっかけに、福岡センターで支援を受け、創業した女性も多いという。今後は、他の女性活躍支援機関との連携も進め、女性起業家支援の輪を拡大する構想を掲げている。

高校生対象に創業マインドを育成

地域経済の活性化に欠かせない開業率の向上を支えるため、日本公庫では13年に初めて「高校生ビジネスプラングランプリ」を開催した。未来の創業者に成り得る若年層へのアプローチを試みたもので、初開催にも関わらず、全国から約1,500件もの応募があった。惜しくも九州からのファイナリスト進出はなかったが、次年度の開催に向け、すでに福岡センターでは応募校を対象にプラン制作の基礎講座やアドバイスをする出張授業の実施に意欲的な姿勢を見せている。九州からのファイナリスト輩出を目指し、高校生の創業意欲の醸成を図っていく考えだ。

企業DATA
所在地 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-26-29 九勧博多ビル7F
TEL 092-473-8747 092-473-8764
URL http://www.jfc.go.jp/
事業内容 創業支援、革新的創業企業支援、地域活性化支援、情報提供など各種創業支援サービス