FEATURE

ふくおか経済EX 2015

新日本製薬㈱


医薬品・化粧品の新製品続々、自社「甘草」使った日本初の漢方薬も

(写真)3月1日発売、薬用の美白美容液、BBクリーム、コンシーラー(左から)

医薬品、健康食品、化粧品通販の新日本製薬㈱が、日本初の快挙を成し遂げた。
3月1日、同社が国内栽培に成功した漢方薬原料「甘草(カンゾウ)」など国産生薬のみ使用した漢方薬「芍薬甘草湯エキス」を発売。国産生薬だけの漢方薬は国内初だ。さらに、同日に発売した「桂枝茯苓丸錠」と「当帰芍薬散錠」は、更年期を迎える女性向けのものとなる。
国内自給率が低く輸入に頼らざるを得ない甘草にいち早く着目した同社。これまで岩国市の薬用植物研究所で約9年間にわたって甘草をはじめ国内栽培を見据えた薬用植物の研究を続けてきた。今回、自社栽培から商品化まで実現したことは業界内外からも注目されており、同社では今後も漢方薬新商品を計画している。
また、同じ3月1日には、2,500万個を売り上げるオールインワンジェルを主力に持つシンプルスキンケアブランド「パーフェクトワン」から美白系新商品を3品発売。いずれも、薬用植物研究所で栽培した紫根から抽出した紫根エキスを採用している。

国産生薬のみ使用した漢方薬

 

一方、同社の生薬研究は国内にとどまらず海外にも広がっている。昨年から、ミャンマーでの将来的な生産に向けた試験栽培事業に着手。これは国際協力機構(JICA)の「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」にも採択されており、現地農村の雇用創出や収益確保、保険医療の向上などにも期待されている。3月18〜20日には、試験栽培事業が実施されている同国カイン州の森林鉱山大臣が福岡市を来訪。農村地域の活性化施策等の視察のためだが、スケジュールの合間を縫って関わりの深い新日本製薬本社にも訪問。国土の広い同国の将来に期待される通信販売事業を見学した。
医薬品の充実と生薬研究の国内外での推進。「パーフェクトワン」シリーズが先行して有名な同社だが、“製薬会社”としての動きも本格化している。

グループ会社の新日本医薬を見学するミャンマーからの一行

 

企業DATA
所在地 〒810-0074 福岡市中央区大手門1-4-7
TEL 092-720-5800
FAX 092-720-5808
設立 1992年3月
資本金 2億円
事業内容 化粧品・健康食品・医薬品の製造販売業及び通信販売事業、店舗販売事業。薬用植物の栽培事業
代表者 後藤 孝洋
従業員 390人(派遣社員含む)
関連会社 ㈱新日本医薬、㈱新日本ロジテック、㈱新日本リビング、㈱メルシス
URL http://corporate.shinnihonseiyaku.co.jp/

(ふくおか経済EX2015年)