FEATURE

ふくおか経済EX 2017

愛和グループ((株)愛和、(学)愛和学園)


創立30周年を機に新たなビジョンを掲げ第2創業期へ

創立30周年を機に社名変更と本社移転した㈱愛和。教育事業では㈻愛和学園を設立し、運営する3校をグループ化した。少子高齢化社会の本格的な到来で、経営環境は激変。その対応の一方で、新しい分野での展開が見え始めた。新たに将来ビジョンを策定し、幅広い分野で可能性を求めて動き出した。

30周年機に社名変更と本社移転

創立30周年を機に㈱愛和(旧㈱愛和地所)に社名変更し、本社を福岡市博多区綱場町に移転。合わせて福岡売買本部を本社に統合し、分散していた機能を集約した。総面積は3倍以上となり、特にミーティングスペースは会議室と別に5か所設けて拡充。「社員が気軽にコミュニケーションを図れるように随所に設けた。始まったはかりで効果を発揮するまで時間がかかるが、お互いに何をすべきかの課題は見えてきた」と言う。

名古屋支店も利便性の高い名古屋駅前に移転した。従来の開発部に工務部を加え、面積は約5.6倍に拡張。スタッフ増員で強化を図る。東京支店には今春、阿部大輔専務が赴任し陣頭指揮に立つ。年20〜30棟を目標に関東でも事業を強化する。

空前の投資ブームを迎えているアパート一棟売り業界。一見するとそのための体制強化に見えるが、そのブームについては次のように警鐘を鳴らす。「業者側は建てれば売れるので大量供給し、用地不足から同じ敷地に何棟も建てる動きも目立つ。業者は儲かるだろうが、投資したオーナーは将来空室を抱えることになる。業界が受けるダメージも大きく、自殺行為ともいえる」。

同社の事業スタンスは売り上げや利益ではなく、あくまでも入居率を重視する。敷地には1〜2棟を基本とし、立地条件などを踏まえ、複数棟数になる場合はコンセプト・プランを変え取り組んでいる。「われわれの目的はモノを売ることではなく、オーナーと喜びを分かち合うことにある。自信を持って薦められる物件しか供給するつもりはない」。その言葉を立証するように、2010年に開発した「クレオ」「ヴァシオ」「アンピオ」の人気シリーズは、賃料を値下げせずに99%の入居率を維持している。

新ビジョンを掲げ第2創業期へ

社名変更の背景には不動産事業にとどまらず、幅広い分野への展開の可能性を秘めている。少子高齢化のなか、女性の活用に伴う託児所問題や超高齢者社会などの問題にも取り組む展開を示唆する。

グループの従業員は140人に達し、展開も広がる。従来のトップダウン経営からボトムアップへの転換が必要となり、その中核を担う人材の育成が進む。「人を喜ばせることを基本理念にあらゆる人が、個性を認め合い、可能性を見つけることで、無限に発揮し合う」を新たなビジョンに掲げ、第2創業期に向け動き出した。

阿部浩二 社長
あべ・こうじ/福岡市出身。87年11月に同社を設立し、社長就任。91年10月日本語学校の愛和学園・愛和外語学院を設立し、理事長に就任。2011年㈻松本学園をグループ化し、理事長に就任

【Check】阿部社長は多趣味。気の合う仲間と組んだバンド活動では、リチャード・阿部の愛称でボーカルを務める

【DATA】
所在地 〒812-0024 福岡市博多区綱場町2-21 福岡MDビル7F
TEL 092-263-8720
FAX 092-263-8730
創業 1987年10月
設立 1987年10月
資本金 1,000万円
事業内容 アパート・マンション企画・設計・施工・販売・賃貸管理
出先 名古屋支店、東京支店
URL  http://www.aiwachisho.co.jp

【採用情報】
募集職種 資産ナビゲーター
応募資格 全学部・全学科
採用予定 2018年度 若干名
問合せ先 TEL 092-263-8720
担  当 石川

(ふくおか経済EX2017年版より)